iDeCoの掛け金積立期間が5年間延長!対象となる条件は?
専門家が解説! iDeCo制度改正のポイント 1

iDeCoの掛け金積立期間が5年間延長!対象となる条件は?

  • 公開日:2020.03.30

Editor's Eye

●60歳までだった積立可能期間が5年延長に
●対象になる場合、ならない場合をチェック
●「第1号」「第3号」でも対象になるケースがある

iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、2017年に「老後資産形成手段として誰でも利用できるように」というコンセプトに基づいて法改正されたことで加入者範囲が公務員や専業主婦の方などにまで拡がり、加入者が急速に増えました。その数は、2020年3月には150万人を突破すると見込まれています。

一方、2022~2023年の施行に向けて現在検討が進んでいるiDeCoに関する法改正の内容は、加入や受け取りの仕方について選択肢を広げるものとなっています。この背景には、人生100年時代を迎え老後への経済的備えが重要になる中、60歳以降の働く期間や働き方も多様になっていることから、老後への備え方も一人ひとりが自分に合った形で選択できるようにして、国も制度面から後押しするという意図があります。

今回は、法改正の中でも、「加入できる期間」の延長についてご紹介していきます。

「加入できる期間」の延長ということですが、まず、そもそも現在は、60歳までしか加入(掛け金の積立)ができません。それが、今回の法改正により、国民年金被保険者であることを前提に65歳まで加入(掛け金の積立)期間が延伸されます。これは、加入者の利益に大きく貢献する変更で、今回の改正の目玉と言っていいと思います。

「国民年金被保険者」と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思いますが、基本的に、20歳以上60歳未満の日本人はすべて、国民年金に加入している「国民年金被保険者」となります。さらに60歳以上の方についても、公務員や、民間企業に勤めサラリーマンとして働く人たちの多くは厚生年金に入っています。厚生年金保険料には国民年金保険料も含まれていますので、自動的に「国民年金被保険者」でもあることになります。

今回の変更は61歳から65歳の方が対象となるため、60歳以上の方でも、サラリーマンとして働き続ける場合は、iDeCoに加入し、掛金を積み立て続けることができるようになるわけです。

総務省の労働力調査によれば、2017年の時点でも、60代前半の人のうち実に67%の方が働いており、60代前半はもはや老後ではなく、「まだまだ現役」という時代になりました。つまり、60代前半は、老後に向けてまだ稼ぎ、備える時期となってきています。

それに合わせる形で、60代前半の5年間もiDeCoでの積み立てができるようにする、というのが今回の改正案です。

では、「5年間の積立」でどれぐらいお金が貯まるのでしょうか。

例えば、他の企業年金がない民間企業にお勤めの場合、月2万3,000円の積み立てができますので、5年間で138万円の積み立てができます。

138万円というと「大した額ではないな……」と思う方もいるかもしれませんが、10万円も出せば、シニア向けの平日旅行パックでそれなりにいいところに泊まれるプランはたくさんあります。楽しみを増やす意味では、十分意味のある額と言えるのではないでしょうか?

さらに、掛金の積立期間が延びるということは、貯められる金額に加え、「掛金分が全額所得から控除される」というメリットも5年分多く享受できることになります。

シニアになって年収が下がると所得税率も下がりますから、現役時代ほどの所得控除メリットは得られません。しかし、例えば所得税率5%でも住民税も合わせると、先ほどの月額2万3,000円の掛金で、年間4万4,000円も税負担が減ります。5年間で軽減される税負担額は20万円ほどと、ばかにできない金額になってきます。

もちろんその間、年間数千円の口座管理料はかかりますが、それでも掛金の所得控除によるメリットを上回ることはありません。60歳以降も税制面で恩典のあるiDeCoに加入できるのであれば活用し、老後資金を積み増しした方がいいと思います。

ここまで「65歳まで加入できる」ことのメリットをお話してきましたが、フリーランスや自営業のような第1号被保険者の方、専業主婦のような第3号被保険者の方は、基本的には対象外となります。第1号被保険者や第3号被保険者の方は、60歳になると国民年金の被保険者ではなくなり、iDeCo加入の前提条件を満たさなくなるからです。

ただし、60歳以降も任意で国民年金に加入することができる場合があります。その条件を満たし、ご本人が国民年金に「任意加入」すれば、iDeCoも加入を続けることが可能です。

では、任意加入できるのはどんな場合なのでしょうか。その解説をする前に、国民年金について制度の基本ルールを簡単に押さえておきましょう。

そもそも国民年金は、保険料を払って加入する期間は現在最大40年と決まっています。原則65歳以降に国民年金として支払われるお金の金額は、保険料を払って加入していた期間に応じて決まる仕組みになっており、40年加入していれば満額が支給されます。20歳になった時に納め始め、60歳までずっと支払い(納付)を継続していれば、満額支給を受けられるということですね。

しかし、私が学生時代の頃は国民年金への加入は任意でした。20歳以上の大学生の国民年金加入が義務化されたのは1991年4月なので、私を含めた多くは国民年金に加入せず、保険料を払っていませんでした。つまり、1991年3月より前に学生だった方の多くは、60歳時点の加入期間は約38年と、40年に届かないケースに該当します。

これ以外にも、収入の厳しい時期に、申請をして納付を免除できる制度を利用した場合は、60歳時点で国民年金の加入期間が満額支給受けられる40年間に到達しないということになります。

しかし、そういう人は、本人の意志で加入期間が40年に到達するまで国民年金保険料を払い続けることができます。これがまさに、「第1号・第3号被保険者であっても、60歳以降もiDeCoの加入を継続できるケース」となるのです。国民年金の任意加入をしている間は「国民年金被保険者」となり、この間だけ、自営業者の方も専業主婦等3号被保険者の方もiDeCoの加入を継続することができます。

サラリーマンでない場合は、60歳になった時点で、過去の加入期間が40年未満かどうかを確認し、将来受け取る国民年金の額を増やすために、そしてiDeCoに加入できる権利を獲得するためにも、任意加入被保険者になる手続きはしておきたいですね。

ちなみに、60歳以降に支払う国民年金保険料は、全額社会保険料控除の対象になります。自営業の1号被保険者の方はiDeCoの掛金とダブルで所得控除メリットを得ることができますから、満額支給の「40年間」に達するまでの間だけにはなりますが、iDeCoの加入継続は本当におススメです。

なお、今回の改正では、61~65歳の方の「新規加入」も可能となります。

ただし、iDeCoへの新規加入から受取開始までの間は、必ず5年以上の期間が必要になります。例えば62歳でiDeCoを始めた場合、積立期間は65歳までとなりますが、受取開始時期は67歳からとなり、65歳から67歳の2年間は積立も受取もできない期間となります。この間、残高の運用は非課税で継続できますが、口座管理料がかかり、その分残高は目減りしますので、注意が必要です。

今回は、厚生労働省 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会での議論のまとめから、特に関心を集めたiDeCoの「加入可能年齢の拡大」を中心にご紹介しました。次回は、iDeCoの「受取開始時期の拡大」にフォーカスして解説していきたいと思います。

 

どこで口座開設したらよいの?

iDeCo(イデコ)は一人一口座しか持てないため口座選びが重要。でも、多くの金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。 そこで、分かりやすい基準として、iDeCo専門サイトNo.1の「iDeCoナビ」でよく見られている金融機関と独自サービスがある注目の金融機関をご紹介します。
集計期間:〜

  1. 資料請求数 1位

    SBI証券

    SBI証券の特徴は?
    • 8ヶ月連続、資料請求数No.1
    • 口座管理手数料が最安の月額171円!誰でもお得にiDeCoを始められる
    • 業界最多水準の商品ラインナップ
  2. 株主優待名人・桐谷さん愛用

    松井証券

    松井証券の特徴は?
    • 口座管理手数料が最安の月額171円!誰でもお得にiDeCoを始められる
    • 取り扱い商品数は40本と豊富!手数料が低い商品ばかりとコスト面も◎
    • 三ツ星評価のサポートでお悩み解決!
  3. 今ならお得な口座開設キャンペーン実施中!

    楽天証券

    楽天証券の特徴は?
    • 口座管理手数料が最安の月額171円!誰でもお得にiDeCoを始められる
    • 楽天会員の方はログインすればカンタンに口座開設できる!
    • 電話で平日夜間や土日に相談受付
この記事は役に立ちましたか?
  • よく分かった (236)
  • 難しかった (36)

このページをシェアする

  • Lineにシェア
  • はてなブックマークにシェア

あわせて読みたいRecommend

著者

大江 加代 確定拠出年金アナリスト
大江 加代
オフィス・リベルタス取締役。大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、25万人の投資教育も主導。確定拠出年金教育協会の理事として、月間20万人以上が利用するサイト「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及・活用のための活動も行っている。

関連コラムRelated

ESG投資に関する疑問を解決します
iDeCo(イデコ)との上手で賢い付き合い方
ESG投資に関する疑問を解決します
iDeCo(イデコ)との上手で賢い付き合い方

参考サイト
もっと情報をキャッチ!

あなたに最適なIFA(資産アドバイザー)を見つけるならFinasee(フィナシー)× 資産運用の無料相談窓口

あなたに最適なIFA(資産アドバイザー)を見つけるならFinasee(フィナシー)× 資産運用の無料相談窓口