専門家が解説! iDeCo制度改正のポイント 1

iDeCoの掛け金積立期間が5年間延長!対象となる条件は?

  • 公開日:2020.03.30

ここまで「65歳まで加入できる」ことのメリットをお話してきましたが、フリーランスや自営業のような第1号被保険者の方、専業主婦のような第3号被保険者の方は、基本的には対象外となります。第1号被保険者や第3号被保険者の方は、60歳になると国民年金の被保険者ではなくなり、iDeCo加入の前提条件を満たさなくなるからです。

ただし、60歳以降も任意で国民年金に加入することができる場合があります。その条件を満たし、ご本人が国民年金に「任意加入」すれば、iDeCoも加入を続けることが可能です。

では、任意加入できるのはどんな場合なのでしょうか。その解説をする前に、国民年金について制度の基本ルールを簡単に押さえておきましょう。

そもそも国民年金は、保険料を払って加入する期間は現在最大40年と決まっています。原則65歳以降に国民年金として支払われるお金の金額は、保険料を払って加入していた期間に応じて決まる仕組みになっており、40年加入していれば満額が支給されます。20歳になった時に納め始め、60歳までずっと支払い(納付)を継続していれば、満額支給を受けられるということですね。

しかし、私が学生時代の頃は国民年金への加入は任意でした。20歳以上の大学生の国民年金加入が義務化されたのは1991年4月なので、私を含めた多くは国民年金に加入せず、保険料を払っていませんでした。つまり、1991年3月より前に学生だった方の多くは、60歳時点の加入期間は約38年と、40年に届かないケースに該当します。

これ以外にも、収入の厳しい時期に、申請をして納付を免除できる制度を利用した場合は、60歳時点で国民年金の加入期間が満額支給受けられる40年間に到達しないということになります。

しかし、そういう人は、本人の意志で加入期間が40年に到達するまで国民年金保険料を払い続けることができます。これがまさに、「第1号・第3号被保険者であっても、60歳以降もiDeCoの加入を継続できるケース」となるのです。国民年金の任意加入をしている間は「国民年金被保険者」となり、この間だけ、自営業者の方も専業主婦等3号被保険者の方もiDeCoの加入を継続することができます。

サラリーマンでない場合は、60歳になった時点で、過去の加入期間が40年未満かどうかを確認し、将来受け取る国民年金の額を増やすために、そしてiDeCoに加入できる権利を獲得するためにも、任意加入被保険者になる手続きはしておきたいですね。

ちなみに、60歳以降に支払う国民年金保険料は、全額社会保険料控除の対象になります。自営業の1号被保険者の方はiDeCoの掛金とダブルで所得控除メリットを得ることができますから、満額支給の「40年間」に達するまでの間だけにはなりますが、iDeCoの加入継続は本当におススメです。

なお、今回の改正では、61~65歳の方の「新規加入」も可能となります。

ただし、iDeCoへの新規加入から受取開始までの間は、必ず5年以上の期間が必要になります。例えば62歳でiDeCoを始めた場合、積立期間は65歳までとなりますが、受取開始時期は67歳からとなり、65歳から67歳の2年間は積立も受取もできない期間となります。この間、残高の運用は非課税で継続できますが、口座管理料がかかり、その分残高は目減りしますので、注意が必要です。

今回は、厚生労働省 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会での議論のまとめから、特に関心を集めたiDeCoの「加入可能年齢の拡大」を中心にご紹介しました。次回は、iDeCoの「受取開始時期の拡大」にフォーカスして解説していきたいと思います。

 

 

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著者

大江 加代 確定拠出年金アナリスト
大江 加代
オフィス・リベルタス取締役。大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、25万人の投資教育も主導。確定拠出年金教育協会の理事として、月間20万人以上が利用するサイト「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及・活用のための活動も行っている。

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