iDeCo「受取開始可能時期の繰り下げ」でトクするケースは意外と少ない!?
専門家が解説! iDeCo制度改正のポイント 2

iDeCo「受取開始可能時期の繰り下げ」でトクするケースは意外と少ない!?

  • 公開日:2020.04.02

Editor's Eye

●公的年金と足並みをそろえた「受取開始可能時期の繰り下げ」
●積立が終わってもかかる「口座管理料」にご注意
●受取開始可能時期の繰り下げは、まず公的年金から検討を

iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、2017年に「老後資産形成手段として誰でも利用できるように」というコンセプトに基づいて法改正されたことで加入者範囲が公務員や専業主婦の方などにまで拡がり、加入者が急速に増えました。その数は、2020年3月には150万人を突破すると見込まれています。

一方、2022~2023年の施行に向けて現在検討が進んでいるiDeCoに関する法改正の内容は、加入や、受け取りの仕方について選択肢を広げるものとなっています。この背景には、人生100年時代を迎え、老後への経済的備えが重要になる中、60歳以降の働く期間や働き方も多様になっていることから、老後への備え方も一人ひとりが自分に合った形で選択できるようにして、国も制度面から後押しするという意図があります。

今回は、その法改正の中でも、「iDeCoの受取開始年齢の繰り下げ」についてご紹介していきます。

受け取りの開始時期は、一時金や年金、または併給といった受け取り方同様、ご本人が選ぶことができます。現在の選択肢、「60歳から69歳11カ月までの間」から「60歳から74歳11カ月までの間」に拡大するというものです。

これは、公的年金の受取開始可能時期を75歳までに繰り下げたため、それに合わせる形でiDeCoの受取開始可能時期も遅らせられるようにしたものです。

ただ、私はこの件についてはあまり魅力を感じていません。なぜなら、iDeCoは公的年金とは異なり、受取開始可能時期を遅らせても受取額がそれほど増えず、むしろ減ってしまう可能性もあるからです。

iDeCoは、残高がある間はずっと口座管理料がかかります。掛け金の積立をしながら加入している間よりは安いのですが、毎年800円程度、保有している資産の一部が自動的に売却されることで徴収されていきます。

ということは、口座管理料以上に運用益が出なければ、受取額は年々目減りしてしまいます。iDeCoの受取開始可能時期の繰り下げを有効活用できるケースは、70歳以降もバリバリ働いて、公的年金もiDeCoも受け取らなくても生活できる方が、受け取りを先送りするために使うという場合くらいしか想定できません。

受取開始可能時期の繰り下げを検討するなら、iDeCoよりもまずは公的年金です。ひと月繰り下げするごとに受取額は0.7%も増え、その増えた額を死ぬまで受け取ることができます。一方、iDeCoは繰り下げたとしても増えるかどうかはマーケット次第。その上、残高がなくなったら受け取りは完了となります。

ちなみに、iDeCoにも受取用に終身年金が用意されているプランはあるのですが、数社で試算していただいたところ、平均寿命まで生きても手数料で元本割れしてしまうそうで、とてもお勧めできません。

長生きリスクに備えるのは、やはり終身で受け取れる公的年金が最強です。

70歳まで繰り下げすれば、65歳時点の支給額の42%受取額が増えますし、現在法案が出されている75歳までの繰り下げが実現すれば、65歳時点の84%も受取額が増えます。65歳での給付額が15万円だとしても、70歳まで繰り下げれば21.3万円、75歳まで繰り下げたら27.6万円といった金額になります。

それなりの額の年金を終身で受け取れることは、想定以上に長生きしても大丈夫、という安心感につながり、お金の面だけでなく精神的にも大きな支えになります。ですから私は、iDeCoの受取については、積立が終了してから間を空けることなく開始し、さらに受取終了の時期も早めにして、公的年金を受け取るまでのつなぎ資金として活用するのが一番良いと思っています。

今回は、厚生労働省 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会での議論のまとめから、特に関心を集めたiDeCoの「受取開始可能時期の拡大」を中心にご紹介しました。次回以降は、現在企業型確定拠出年金(企業型DC)に入っている方のiDeCoの活用にフォーカスして解説していきたいと思います。

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著者

大江 加代 確定拠出年金アナリスト
大江 加代
オフィス・リベルタス取締役。大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、25万人の投資教育も主導。確定拠出年金教育協会の理事として、月間20万人以上が利用するサイト「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及・活用のための活動も行っている。

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