専門家が解説! iDeCo法改正のポイント 4

マッチング拠出ありの場合 あえて「iDeCoを利用しない」ほうがよいことも

  • 公開日:2020.04.13

もう一つ、iDeCoの利用を優先するケースとして考えられるのは、企業型DCの商品ラインナップに満足していない場合です。

企業型DCの商品ラインナップは、本人の意思だけで変えることはできません。もし、お勤め先の企業型DCの商品ラインナップが、信託報酬の高い投資信託ばかりで満足できないとすれば、金融機関各社のiDeCoの商品ラインナップをチェックして、自分が買いたい商品をとりそろえている金融機関でのiDeCo加入を検討してみるのもよいと思います。

ただ、徐々にではありますが、企業型DCにも商品を見直す動きが出てきているので、自社の企業型DCの最新ラインナップを確認するとともに、今後見直しの予定がないのか、総務等担当部署に確認してみることを併せてお勧めいたします。

最後に番外編として、「選択型DC」でのiDeCo活用について触れたいと思います。

企業型DCにおいて、2015年以降、会社が掛金を出すのではなく、社員の給与や賞与の一部を前払退職金と再定義し、その分を、企業型DCの掛金として積み立てるか、給与として受け取るかを加入者が選択できる「選択型DC」という仕組みが広がっています。

掛け金として積み立てる場合、当然、給与や賞与は減額することになり、将来受け取る年金(老齢厚生年金)や傷病手当金といった社会保険給付額を自ら減らしてしまうリスクがあります。選択する際には、会社の福利厚生担当等に、自分が負うかもしれないデメリットを納得がいくまで自分でよく確認していただく必要がある制度なのですが、この「選択型DC」加入者についても、iDeCoの同時加入が可能となります。

ただ、iDeCoの同時加入を利用しようとすると、「会社掛金+加入者が選択して上乗せした掛金+iDeCo掛金」が企業型DCの掛金上限以下である必要があります。多くの場合、企業型DCの法定上限いっぱいまで本人が選択して掛金として積立できるようになっているようですので、あえてiDeCoで拠出する必要がなく、今回の法改正によるメリットはないと思われます。

今回の改正を経て、制度が複雑化する面はありますが、700万人を超える企業型DC加入者の多くがiDeCoも活用ができるようになるのはとても好ましいことです。

改正法案の成立を見守るとともに、自分の勤務先のDC制度にマッチング拠出制度があったのかどうか、会社掛金はいくらだったかこの機会に確認して、ぜひ新しい確定拠出年金を自分のために有効活用してください。

 

 

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著者

大江 加代 確定拠出年金アナリスト
大江 加代
オフィス・リベルタス取締役。大手証券会社にて22年間勤務、一貫して「サラリーマンの資産形成ビジネス」に携わる。確定拠出年金には制度スタート前から関わり、25万人の投資教育も主導。確定拠出年金教育協会の理事として、月間20万人以上が利用するサイト「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及・活用のための活動も行っている。

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