FPがいま改めて深掘りする「老後2000万円問題」

長生き時代、誰でも「おひとりさま」になり得る女性の老後のお金

  • 公開日:2020.04.16

前述した通り、老後不足する金額を計算するにあたり、95歳まで生きると仮定して計算されていますが、実際、90歳を超えて長生きする可能性が高いのは、男性よりも女性です。というのも、厚生労働省が2019年7月に公表した簡易生命表によると、2018年の日本人の平均寿命は、男性81.25歳、女性は87.32歳と過去最高を更新。平均寿命は、今後もさらに伸びると予想されており、内閣府発表の高齢社会白書によると、2060年には、男性84.19歳、女性90.93歳になるようです。このデータから女性は男性に比べて長生きということはもちろん、たとえ結婚している場合でも、女性の方が最期を1人で過ごす可能性が高いということがわかります。

最近、都内の老人ホームを見学する機会が増えているのですが、どこの施設を見学しても男性に比べて女性の入居者が多いと感じます。厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査の概況を見ても、どの老人ホームも男性と女性の割合は、3:7程度になっているようです。また、最近は、女性の意識の変化が進んでおり、自分らしい自由なライフスタイルを求める女性が増えてきているように感じます。そのため、離婚や事実婚なども増え、一旦結婚しても、パートナーと別れて1人で生きる道を選択する可能性も少なくありません。

総務省統計局・国勢調査を見ても、未婚、離婚、死別などすべてのシングル女性を合わせると、「おひとりさま」率は実に半数近くにも上ります。ですから、おひとりさまライフを考えておくべきは、現在シングルだという女性だけではありません。女性は、「最期にはおひとりさまになる」可能性があることを視野に入れ、老後のお金を準備していくことが大切といえるでしょう。

女性が老後まで自分らしい人生を送るためには、仕事を長期的に続けることに加え、早い時期から計画的に老後に向けてお金を貯めていくことが大切でしょう。

そこで、老後のお金をどう準備していくかが問題になるわけですが、老後の自分年金づくりの主な手段としては、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と「つみたてNISA」が挙げられます。どちらも運用益が非課税となり、一般の方が節税しながら安定的に資産を増やしていける可能性がある有効な手段です。ここでは、詳細な制度の説明は割愛しますが、iDeCoとつみたてNISAの特徴を見ていきたいと思います。

iDeCo(個人型確定拠出年金)は私的年金の一種で、ザックリいうと公的年金の上乗せ制度で、2017年から現役世代のほぼ全員が加入できるようになっています。

iDeCoは、他の制度よりもずば抜けて「税制優遇」があり、「掛金の拠出時」「運用中」「受け取り時」の3つの場面で税制優遇があります。中でも、他の制度にない税制優遇のポイントが、掛け金が全額所得控除できるところです。それにより、その年に支払う所得税や翌年の住民税を安くすることができます。

例えば、課税所得が300万円程度(所得税率10%)の企業年金がない会社員の方がiDeCoに加入し、毎月20,000円を拠出した場合、年間の掛け金の合計金額は24万円になります。掛け金を全額所得控除できることにより、所得税は約2万4,000円節税になりますし、住民税(一律10%)と合わせると4万8,000円も節税になります。

iDeCoは、このように税制優遇のメリットを享受しながら自分年金を準備できる優れた制度なのですが、不便な点もあります。それは、iDeCoで積み立てたお金は基本的に60歳まで引き出すことができないところです。

長い人生の間には途中でお金を引き出したいと思う場面もあるかもしれません。そこで、iDeCoと併用して活用したいのが、2018年1月からスタートした「つみたてNISA」です。

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著者

高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
高山 一恵
Money&You取締役。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Café』を運営。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。

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