銀行員の意外なホンネ「これは困った……を逆手にとる!」
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銀行員の意外なホンネ「これは困った……を逆手にとる!」

  • 公開日:2020.04.30

Editor's Eye

保険や投資信託といった金融商品を販売する金融機関のアドバイザー。まとまったお金を扱うだけに、顧客に直接伝えられないことも多い彼・彼女らに、前回に引き続き「正直、困ったお客さまの話」についてホンネを聞いてみました。

既に異動した他の職員が販売し、現状運用損を抱えているお客さまがいらっしゃるが、この方の対応がとても大変。

フォロー中に毎回、「この投信を販売した●●は投資環境が大して分からないのに私にこんなのを買わせちゃって、とんでもない奴よね」と言って、同調を求めてくるからだ。

「以前よりもだいぶ回復しており、トータルの運用損益でも大きなリターンを得られている状況ですよ」とお伝えしても、マイナスの印象は拭い切れない。しまいには「あなたは信じて大丈夫なのかしら、ふっふっふっ」と、なんとも老獪な発言をされるのだ。

そもそも、私個人の印象では、その担当者はとてもスキルが高く、マーケット感覚に富んだ職員。しかもその方は、同じ担当者が販売した別の投信で、現状の運用損をあっさり飲み込むほどの利益が出ているのに……。哲学的な話だが、やはり人間というのは「失敗したことは他人のせいにする」ことで少しでもストレスを和らげたくなるのだろうか。

一方で、こんな人間臭いやり取りを自分たちの商売につなげることができるのが対面チャネルの強みや楽しみ。新たなニーズを探していくこと、信頼してもらう提案を考えることで自分を鍛えている。

ポジティブに考えると、「対応に困るお客さま」は「自分のスキルを高める絶好のお客さま」でもある。支店への帰路の中、「は~、疲れた……」ではなく、「次回行くときはどんな提案しようかな」と考えながら、毎月1回程度は訪問する月日を繰り返している。

 

情報を制するものは全てを制す。反応に困る悪口や愚痴も、「何を求めているか」のヒントにすれば、提案の内容をブラッシュアップできるということですね。苦手なものにこそ臨んでいくスタイル、見習いたいところです。(編集部)

本人名義の口座からしか入金を受け付けていないのに、他人名義の口座から資金を振り込んでくるお客さまの対応に困っています。

ほとんどのお客さまは、ルール通り組み戻しに応じていただけますが、中には振込手数料を払いたくないので受けてほしい、手数料を負担しろ、返金しろなどとおっしゃってくるお客さまもあり、対応に苦慮します。

しかし、名義を借りたなりすましの可能性がある以上は、取引を実際に行っているかの確認をしなければならず、名義を使われた方に対する対応も発生します。さらに、この方が口座を保有する別のお客さまだったりするとまた話がこじれる可能性もあり、非常に気を遣います。

なりすまし取引の疑いが少しでも出てくると、なりすましを行った方、行われた方、もしくはその両方の口座の新規のお取引を停止したり、最悪の場合、本人確認が取れるまで出金を含めた口座凍結という措置が取られる場合もあります。このように、お客さまの資金を拘束する手立てを取らざるを得ないときは正直心が痛みます。

最近では、資金はあるけれどもパソコンの操作に不慣れで煩雑な作業を嫌う高齢の両親に代わって、その子供が資金取引を行う場合もあります。

こうした、なりすましの意図がないお客さまの状況を理解できる場面も多々あるだけに、上記のような対応に発展してしまうと、お客さま対応に当たる者としては本当に残念で仕方がありません。

 

仕組みの隙を突いて悪用する人のせいで、便利さが損なわれてしまうケースは、他にもたくさんありそうですね。お金を扱う金融機関のルールは、性善説でなく性悪説をベースにせざるを得ないという事情をご理解いただけるとよいのですが……。(編集部)

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Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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