老後不安だけじゃない、終活から●●まで!? IFAはこう答えた【後編】
“お金のかかりつけ医” IFAのアドバイス事例

老後不安だけじゃない、終活から●●まで!? IFAはこう答えた【後編】

  • 公開日:2020.04.24

Editor's Eye

●資産運用のアドバイスは、スタートにすぎない
●専門家のネットワークをフル活用し、ワンストップで悩みを解決
●相談者の親から孫まで、4代にわたるアドバイス

資産運用、自己流でやってきたけど、今のままでいいのかな? 相続のこと、なんとなく不安だけど、誰に聞けばいいのか……。そんな悩みに中立的な立場から答えてくれるのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)です。他の金融機関と比べて、長期的な視線でさまざまな資産の相談に応じると言われているIFAですが、彼らは相談者に対し、実際にどんなアドバイスをしているのでしょうか。印象深かった相談内容をIFAに振り返って語ってもらう当シリーズ連載。バリューアドバイザーズの田中久登さんの相談事例を取り上げている第1回・前編では、60代女性の資産運用の悩みを解決しましたが、アドバイスはそれだけでは終わりませんでした。この女性は、資産運用のほかにどんな課題を抱えていたのでしょうか?

相談者:

 山本 純子さん(63) フリーランスのデザイナー

ご家族:

 夫  真一さん(67) 年金生活者

 長男 拓也さん(35) 会社員

 長女 優美さん(33) 海外在住

(いずれも仮名)

手持ち資金の運用について相談にいらした山本純子さん。ご自身の事業収入やご主人の年金に加え家賃収入もあり、余裕のある暮らしをされていました。ただ、将来にわたってこの豊かな生活を続けられるか不安に感じていたため、手持ち資金を世界の経済成長にのせて積極的な利益を狙う分散投資と、利子収入を固定資産税など年60万円の固定支出に充てるための債券保有をアドバイスし購入をサポート。証券会社では得られなかった提案に大変満足されたご様子でした。

これでIFAとお客さまのお付き合いはひと段落、と考える方も多いかもしれません。しかし、資産や収入の多寡にかかわらず、お金に関する迷いや不安は尽きることがありません。むしろ、資産運用相談を通して信頼関係を築くてから、本格的なお付き合いが始まることも少なくないのです。

山本さんも、資産運用の手続きを進めるうちに、別の不安を吐露するようになりました。「わが家はの資産は相続税の対象になるのか」という問題です。

配偶者への相続については控除が充実しているため課税対象になるケースは多くありませんが、子への相続時には意外と多くの人が課税対象になります。

具体的には、控除される額は3000万円+(法定相続人の数×600万円)となるので、山本さんのように子が2人のケースでは、相続財産が4200万円を超えると課税対象となります。

山本さんの資産はこの水準を大幅に超えているうえ、家賃収入もあり、積極的な資産運用もしていることから、相続時にはさらに資産が増えている可能性もあり、今から何らかの相続税対策をしておく方がよいと思われました。

ただ、税金に関しては、私たちIFAは一般的なアドバイスはできても、個別の相談は法律上、承ることができません。そこで、信頼できる当社の提携税理士をご紹介し、協力して相続税対策をアドバイスしました。

相続税対策にはさまざまな方法がありますが、山本さんが取り得る選択肢を提示した結果、ご希望の方針は「財産を少しずつお子さんやお孫さんに移転し、相続財産を圧縮する」というものになりました。

そこで、お孫さんの名義で5年ごとに健康祝い金が出る医療保険に加入したり、お孫さんのジュニアNISA口座を開設して将来の教育資金を積み立てながら贈与していきました。また、お子さんに対しては、年間110万円までなら無税で贈与できる暦年贈与も活用しました。

さらに、不動産についてもご相談がありました。

山本さんは亡きお父様から相続した一軒家をお母様と共有していました。雨漏りがするような古い物件で、物置状態となっていましたが、敷地は比較的広く立地も悪くありません。賃貸物件として活用すれば収益を期待できそうな物件です。

ただ、お母様にはときおり認知症が疑われる兆候が出始めているそうだったので、まずはそちらの対策を急ぐ必要がありました。共有者であるお母様に認知症が認められると、ご自分で不動産の処分や変更ができないため、身動きが取れなくなるからです。

そこで、専門家である司法書士と協力して、家族に不動産の管理と処分を任せることができる「家族信託」の手続きを取りました。これで、お母様の財産の受託者となった山本さんが、お母様のための財産管理を行うことができるようになりました。最終的にこの家は、山本さんの息子さんが住みながら、空いたスペースを賃貸する賃貸併用住宅として改築することになりました。

改築にあたり不要なモノを処分する必要がありましたが、大量で手を付けられないとのことだったので、不用品の整理回収を手がける業者もこちらでご紹介しました。さらに、回収した不用品を査定したところ価値ある品が見つかり、それを売却したため、業者の費用はこの売上で賄うことができました。

 

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著者

田中 久登 バリューアドバイザーズ 執行役員
田中 久登
大学卒業後、岡三証券に入社。富裕層向けの資産コンサルタントに従事。海外研修を経てIFAへの転身を決意し、現代表の五十嵐と株式会社バリューアドバイザーズ設立に参画。医師、地権者、士業、学生、保険募集人など専門分野向けの資産運用セミナーを得意とし、年間30回程の講演を毎年開催。青年会議所や相続診断士会などの役員に従事し、多方面の人脈形成によりバリューアドバイザーズとしてお客さまフォローを充実させることを理念に、日々活動の幅を広げている。

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