無料相談から一歩踏み出す勇気が、幸せにつながる

無料相談から一歩踏み出す勇気が、幸せにつながる

  • 公開日:2020.05.01

Editor's Eye

お金に関する相談に応えるFP(ファイナンシャルプランナー)。その名称こそ知っていても、実際に相談したことのある人は少ないのでは。しかし、FPの活躍フィールドは個別相談のほか、セミナー講師やメディアへの出演、書籍の執筆など多岐にわたり、中には無料で彼らの知見に触れられるものもある。保険や住宅ローン、家計相談や資産運用など、得意分野もそれぞれで異なる。コロナショックによる経済不安が高まり、一般家庭においても「家計の健全性」に関心が集まる中、銀行や保険代理店などに所属しない独立系のFP事務所でアドバイスに当たるFPに「FPの真の活用法」を聞いてみた。

少しずつですが、日本においてFPの仕事が理解されつつあると実感しています。とはいえ、相談者の方の「あと一歩」がないことにより、適切なアドバイスができないことがあります。より適切なアドバイスを受けていただくためにFPとして何を伝えるべきかを考えてみました。

FPというと保険を販売する人をイメージする人が多く、実際に何らかの集まりで自己紹介する際に「FPです」と言うと、「保険屋さんですか?」と聞かれることが多々あります。FPが認知されていない時代からFP業務に取り組んでいる私からすると、それだけ認知度が高まってきたことが実感できて嬉しい反面、保険屋さんだから相談料は不要、というように認知されていることに、残念な気持ちを抱きます。

「相談するだけだから、無料」。日本ではそのような認識を持つ人が少なくありません。

確かに、友達に恋愛や子育て、場合によっては嫁姑問題といった相談をするとき、もちろんお金はかかりませんよね。

しかし、離婚や相続で揉めて、弁護士に相談する場合はどうでしょうか? この場合は、所定の料金を支払うのではないでしょうか。法律問題はデリケートな部分を含んでいますし、プライバシーも守ってほしいところですから、当たり前ですよね。

実はFPも弁護士と同じなんです。弁護士は法律の知識を使ってサポートをしますが、私たちFPは法律ではなくお金の知識を使います。相談業務では相談者様の要望や目標を聞き、どのようにすれば夢や目標を実現できるのかを一緒に考え、サポートしていきます。

「お金を出すほどでもないけど……」「一般的にはどうなの?」と質問する人がいるのですが、私たちFPは、自分が学んだ知識を使って全力でサポートしています。お金がかからないと勝手に判断されては困りますし、一般論をいくらお話ししても、その人の役に立つとは到底思えませんので、お互いに納得のいく結果が得られにくくなります。

FPは無料であれ、有料であれ、手を抜かずに相談者様と真摯に向き合っています。ただ、無料の相談会では時間が限られたり、相談者様が詳細な資産状況の公開をためらうことにより、リアルなデータを得ることができず、中途半端な回答になってしまうことは少なくありません。

「お金のことはFPに相談する」という認識は広がってはいるものの、無料での相談となると、踏み込んだアドバイスをするだけのデータや材料が揃わないことも……。FPとして歯がゆい思いをすることも多々あります。

有料相談はハードルが高いと思いますが、無料でお答えできる内容との差を考えれば、ほんの小さな一歩です。FPに歩み寄り、思う存分FPを活用するためにも、ゆったりと時間を使える、有料相談を利用してほしいと思います。

私の場合、海外に移住したい日本人、海外に在住する日本人、日本に在住する外国人等、ユニークなバックグラウンドを持つ方々の相談にあたることがあります。相談者様はHPを通じて相談依頼をされる方がほとんどで、有料と承知でご連絡をいただいています。

相談内容も個性的なものが多く、どのようなデータを提示するのか? どのようにアドバイスをすれば良いのか、いつも以上に熟慮しながらサポートさせていただいています。

日本に在住する外国人の場合、「日本語は話せるけれど日本語は書けない」「加入している保険の証券が英語やフランス語」ということもよくあり、違う意味で緊張が走りますが、外国人の特徴として、「FPへの相談は有料である」という認識が浸透しているため、相談料は? どれくらいの時間を相談に使えるのか? といった具体的な質問から始まり、納得できたところで相談を依頼するというスタイルの方が多いように思います。

外国人であっても日本に住んでいますので、日本の法律に基づいたアドバイスをしますし、資産運用については、運用先が日本国内か海外なのかの違いだけです。したがって、今まで学んだ知識でサポートし、アドバイスを行っています。もう少し準備した方が良かったかな? と思うこともありますが、その人の目的や夢が明確になっていますので、会話をする中で具体的な提案やアドバイスをすることができます。

最初は、英語等の外国語を使って仕事をすることに緊張していましたが、信頼してくれてことが伝わってきますので、今は緊張せずに相談業務に取り組むことができています。そして、有料であることが、相談者様に「価値を与えている」と思うようになりました。お客さまに「参考になりました」「さっそく、準備します」等の言葉を頂けると、まさにFP冥利に尽きると言っても過言ではないでしょう。

FPとしては、多くの方々にFP相談を利用して欲しいと思っていますが、無料・有料という以前に、「どんなことを相談して良いのか分からない」という声も耳にすることがあります。しかし、そもそも分からないことを相談するのですから、分からないまま相談に訪れても良いのです。何が問題点なのかは、FPが導き出すことができるのですから……。

ただし、自分がどうしたいのか? どのような夢を叶えたいのか? どのようなライフスタイルを望むのか? は、本音で話してほしいと思います。FPへの相談は勿論のこと、どのような相談でも本音でぶつからない限り、望む答えは出てきません。

そもそもFPとは指導する人ではなく、相談者様と並走する仲間です。FPとして時には叱るかもしれませんし、褒めるかもしれません。とはいえ、共通しているのは、相談者様の夢を叶えるためにはどうすれば良いのかということを考え、行動しているということです。

最初は無料の相談スペースで相談を受けても良いと思います。ただ、本音で話せるFPが見つかったら、是非、有料相談という「あと一歩」を踏み出してみて下さい。自分に合ったアドバイスやサポートが受けられることを実感していただけるかと思います。

日常のささいなことでも、FPに質問してみて下さい。一緒に考えていくことで、思わぬアイディアも生まれてきますし、充実した生活を送るヒントが得られると思いますよ。

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著者

飯田 道子 ファイナンシャルプランナー
飯田 道子
銀行勤務を経て1996年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行う。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住相談や金融・保険情報を得意としている。CFP認定者。

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