投資は損をしそうで怖いから、投資に踏み出せないあなたへ

投資は損をしそうで怖いから、投資に踏み出せないあなたへ

  • 公開日:2020.05.25

Editor's Eye

●投資を行わない3大理由
●損をしないために、「安く買って、高く得る」にはどうすればいいのか?
●積立投資は「バリュー投資」と「グロース投資」の組み合わせ

『Finasee』では、FP事務所や銀行、証券会社など所属先を問わずFPとして活動する人を対象に、お金にまつわる課題をテーマに「FPからのメッセージ」コンクールを開催しました。寄せられたさまざまな作品の中から、金融系組織所属FP部門で最優秀作品賞を受賞した、大和証券 ライフプランビジネス部の小出昌平さんの作品を掲載します。

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初心者に投資における「リスク」の意味を説明すると、いつも不安げな顔を目にします。いきなり金融の世界に迷い込むので無理もありませんが、いつまでも見て見ぬふりはできません。

「リスクとは、損をすること」という解釈は、金融の世界では非常識なのですが、あえてこの一般常識からメッセージを考えてみました。

人生100年時代、現役世代の多くの人が投資による資産形成が必要だと感じています。一方、「そうは言っても投資には踏み出せない」、そんな人も多いのではないでしょうか。なぜ、必要性を感じても投資をしないのか? 金融庁のアンケート調査によれば、主な理由は「まとまった資金がないから」「投資の知識がないから」「投資は損をしそうで怖いから」の3つです。

これを私は「投資を行わない3大理由」と呼んでいますが、投資初心者向けセミナーでは、それぞれの理由に寄り添った説明を心がけています。例えば、少額からでも資産形成ができる制度として、iDeCoやつみたてNISAを紹介します。また、初心者向け商品として、投資信託のしくみや特徴を解説します。さらに、リスクとは損をすることではなく、値動きのブレだと説明し、リスクをコントロールする手法として、長期・積立・分散投資の有効性を語ります。

でも、リスクはなかなかうまく説明できないものです。

というのも、リスクとは値動きのブレだと説明しながらセミナー参加者の顔を見ていると、理解されていない様子がよくわかるからです。リスクを「損すること」だと考える人に、「金融理論では値動きのブレだ」と説明しても、理解してもらえないのは当然かもしれません。

ですから今回は、あえて「損すること」をリスクと考え、どのように説明すれば投資に踏み出せない人の背中を押してあげられるのか、私の試みを披露させていただきます。

損をしないためには、どうすればいいでしょうか? 言うは易し、行うは難しですが、「安く買って、高く売る」という投資の大原則ができればいいわけです。まずは「安く買って、高く売る」の「安く買って」を考えてみましょう。

まず、安いとか、高いとかを判断するには、どうすればいいでしょうか?

投資の専門家は、投資する資産の「価値」を知ればいい、と言います。その「価値」を基準に、それを下回る「価格」であれば安い、上回る「価格」であれば高い、ということです。資産の「価値」を知り、「価格」がこれを下回ったときに買うのが「バリュー投資」と呼ばれる投資アプローチです。「バリュー投資」で安く買うことができれば、投資で損をしないようになるはずです。

でも、投資の専門家でなければ、資産の「価値」を正確に知ることはできません。バリュー投資家として世界的に有名なバフェット氏でさえ、百戦百勝ではないので、投資初心者は言わずもがなでしょう。

では、資産の「価値」がわからないなら、「バリュー投資」はできないのでしょうか? そんなことはない、と私は思います。実は、iDeCoやつみたてNISAで積立投資をはじめた人は、ある意味、「バリュー投資」を実践しているのです。どういうことなのか、ご説明しましょう。

毎月、積立投資で決まった金額を投資すると、金額は一定なので「価格」に応じて購入量が調整されます。資産の「価値」がわからなくても、「価格」が安いときはたくさん買い、「価格」が高いときは少なく買う、ということになります。

もちろん、「価格」が高いときは買わないほうがいいのですが、資産の「価値」がわからないので、本当に高いのか、安いのかわかりません。そして、安く買うことが「バリュー投資」ですから、高く買わない(=高いときは少なく買う)ことも、疑似的な「バリュー投資」になると思うのです。

つまり、積立投資とは、投資初心者でも自動的に「バリュー投資」ができる手法であり、高く買わないことで損をしにくくなる、と言えるのです。

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著者

Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。
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