新時代の資産のアドバイザー IFAに転身した人たち 3

異動による“強制終了”なし!胸を張って顧客に向き合えるIFAに転身

  • 公開日:2020.06.01

情報収集を始めた時に出会ったのが、現在の勤務先であるアンバー・アセット・マネジメントの代表である友田社長です。友田社長は細田さんと同じように大手証券に勤務した経験を持ち、転勤やノルマで顧客本位の提案ができないことに不満を持って独立した経歴の持ち主でした。

友田社長に会い、創業の経緯やIFAという仕事への思いについて話を聞いた細田さんは、直感的に決めたと振り返ります。「この人なら大丈夫だ。この人の会社でなら、顧客本位のアドバイスができる」と感じ、転職を決めました。

IFAとして第二のキャリアを歩み始めた細田さん、もう休日を指折り待つことはなくなり、毎日が充実しているといいます。

「前職時代から、証券アナリスト修得のため自己研鑽をしていましたが、会社から求められるのは専門知識の修得ではなく、ノルマ商品を販売するためのセールストークを磨くことでした。現在は専門知識を修得することが個人投資家への的確なアドバイスに直接つながるので、資産運用において役に立つ情報を幅広く収集することを心がけているんです」。

ただ、残念に感じているのは、相談に来る顧客の多くが、運用意向にそぐわない、ノルマ商品で損をさせられてしまっていることだといいます。「資産を増やすには資産運用がベストだということは確信していますが、証券業界では自分たちが販売したい商品が優先されていて、お客さまの利益を考えていない、と感じます」。

顧客の多くは、最初は半信半疑で細田さんの元にやって来るといいます。「IFAって、いったい何?」「金融機関でもないのに、信頼できるの?」「良くない商品を売りつけられるのでは?」。運用がうまくいかずに藁をもすがる気持ちで来たけれど、内心は不安と警戒心でいっぱいの顧客の気持ちが、細田さんはよく理解できるといいます。

「私自身もIFAという職業を初めて知ったとき、懐疑的だったんです。職業として、ノルマなしで顧客本位のアドバイスができる世界があるなんて、すぐには信じられませんでしたから。ましてや、これまで証券会社や銀行に勧められる商品を買って損をしてきたお客さまに、IFAをすぐに信頼しろと言われても無理な話です」。

そうした顧客に対し、細田さんは焦ることなく誠実に向き合い、じっくり話を聞くことで、不安を解消していくことを大切にしているそうです。転勤のある証券会社と違って、IFAでは顧客との長い付き合いが可能で、子や孫の世代まで関わり続けている例はたくさんあります。細田さんの気持ちと誠実さは徐々に顧客に伝わり、今では全財産を託してくれる顧客を多く抱える売れっ子アドバイザーに成長しました。

「以前のように後ろめたい気持ちを抱えることなく、胸を張って顧客と向き合えることが何よりうれしいと感じます。目の前のお客さまに対して何がベストなのかを常に考えることで、信頼は後からついてくるものだと実感しています」。

苦労を重ね顧客と信頼関係を築いても、転勤によって不本意な“別れ”を強いられてしまう状況から、長期的に顧客との関係性を構築できるIFAに転じた細田さん。過酷なノルマや会社都合の商品提案から開放され、顧客にとってのベストを尽くせる環境が信頼を生み、任せられる資産が増えたり、家族にまで関係が広がったりという、証券会社ではなかった手応えを感じているといいます。

近年、働き手が心身ともに健やかな状態であることが組織経営にもプラスに作用するという考え方、「ウェルビーイング(well-being)」が広まりつつあります。こうした流れの中で、証券会社や銀行にも評価体系の見直しなど変化の兆候が表れていますが、現在の職業を「良心に恥じず、胸を張って取り組める仕事」と晴れやかに断言する細田さんのケースは、まさにウェルビーイングを求めた例と言えるでしょう。

顧客に合った提案を実現しやすいIFAという職種は、働き手の間でも、今後より関心を集めていくのかもしれません。

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Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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