コロナショック時にFPに寄せられた、リアル相談とそのアドバイスを公開

コロナショック時にFPに寄せられた相談事例とそのアドバイスを紹介

  • 公開日:2020.06.17

Editor's Eye

株式市場が乱高下した今回の「コロナ相場」は、多くの人にとって今後の資産運用を考える大きなきっかけとなったようで、ファイナンシャルプランナー(FP)の元にはさまざまな相談が寄せられたそうです。子育て世帯、共働き夫婦を中心に多様なライフスステージの相談者をサポートするFPの氏家祥美さんに、コロナ禍のさなかに受けた印象的な相談事例を紹介していただきました。

まず、ご紹介したいのはAさん。32歳で一人暮らしをしている女性です。大学で非常勤講師の仕事をしながら、授業がない時には飲食店でアルバイトもしながら生計を立てています。手取り収入は変動がありますが、だいたい22万円程度。家賃や水道光熱費に加えて、仕事のための書籍購入費などもかさむため、暮らしに余裕はありません。

「このまま一人かなと思ったとき、仕事が不安定なこともあり、老後資金が心配になった」という理由で、1年半ほど前からつみたてNISAを始めたそう。現在の資産は、預貯金が約50万円、投資信託が約30万円です。ところが、Aさんは今回のコロナショックの影響で「飲食店でのアルバイトが無くなり、しばらく実家に帰ることになった」といいます。実家に留まることで食事などは家族の世話になれますが、コロナが落ち着いたら東京に戻るつもりなので、アパートの家賃は継続して支払っています。

勤め先の大学では、早くにオンラインで授業が再開されることが決まり、実家からできるため、収入がゼロになるわけではないそうですが、「収入が減少した時に、家計簿アプリ上で投資残高まで減っていくのを見ると不安でたまらない」というAさん。そこで、まずはつみたてNISAでの新規投資をストップして、残高の目減りを緩和することに。「つみたてNISAの残高が、これ以上値下がりしないうちに全部売ってしまいたい」ということでしたが、長期投資の基本は「下がった時にあわてて売らない」だとお伝えし、しばらく様子を見るようにアドバイスをしました。

とはいえ、先が見えない中で手元資金が心もとなく不安を感じていましたし、このままコロナが終息せず収入減少期が長引き、株価もさらに低迷する可能性もあることから、まずは3分の1だけ解約して現金を確保しておくことに。

ほかの方も含めた印象として、余裕資金以外で投資を始めた方は、相場回復期まで耐えるだけの資金的・精神的な余裕がないことから、今回苦しい局面に立っていたことが印象に残りました。

逆のケースもご紹介します。「投資信託を買うべき?」と相談にきてくれたBさんです。Bさんは40歳の男性で、奥さまとそろってのご相談でした。正社員の共働きで、世帯の手取り月収は70万円程度。定期預金に2000万円ほどの預貯金があります。お子さまがまだ幼いこともあり、仕事に子育てにと忙しく、投資が気になりつつもただただ財形貯蓄を中心に貯蓄だけをしてきました。「コロナの影響で夫婦ともに在宅ワークとなり、時間ができました。夫婦で家計を見直すいい機会かと思って」ということで、複数回のオンライン相談に申し込みをされました。

以前から投資の必要性を感じていたこともあり、商品選びのポイントを理解した後はこちらが驚くほど早く実行に移り、iDeCoとつみたてNISA、NISAを組み合わせて投資を始めました。

投資に関心を持ちつつも、忙しくて始められていない人の相談はこれまでも多く受けてきました。Bさんに限らず、ビジネス経験がある人、会社で確定拠出年金の経験がある人は、ちょっと後押しをするだけで一気に進められます。

注意点としては、一気に投資をしないこと。元本保証の預貯金で堅実に貯めてきた人ですから、値下がり時期にどの程度のストレスを感じるかは未知数です。ストレスのあまり下落時に売却すると、大きな損失を被ります。一度に金融商品を購入して後悔することのないよう、分散投資、積立購入をしながら経験値を高めていくといいでしょう。

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著者

氏家 祥美 ファイナンシャルプランナー
氏家 祥美
お茶の水女子大学大学院修了。2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち、2010年にFP事務所ハートマネー代表に。共働き家族やリタイアメント層に向けたマネー&キャリアプランニングを得意とする。webメディアや雑誌、書籍での執筆のほか、家庭科教科書の経済パートを執筆するなど、金融リテラシーの普及をライフワークとしている。

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