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「金融機関緊急アンケート」の結果から見えてきたもの 1

ショック時にこそ重要となる、投資家を支える金融アドバイザーの存在

  • 公開日:2020.06.16

Editor's Eye

「コロナショック」による相場の急落は、多くの個人投資家を動揺させた。その一方で、そうした投資家の不安を解消すべく、金融アドバイザーたちがさまざまな取り組みを行っていた事実はあまり知られていない。金融専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』が実施した緊急アンケートの結果を元に、コロナショック下の金融機関の実情を明らかにするとともに、相場の混乱局面にこそ真価を発揮するアドバイザーの役割を改めて考えてみたい。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今年2月から3月にかけて、世界的に株式相場が大きく下落したのは記憶に新しい。6月15日時点では、ほぼコロナショック前の水準にまで戻っているものの、急落で肝を冷やした個人投資家も少なくなかったはずだ。

では、投資信託をはじめとする金融商品の販売現場である銀行や証券会社などでは、どんな状況だったのか。資産運用ビジネスに携わるプロフェッショナル向けの情報誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』が、銀行や証券会社、IFA(Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザー)などを対象に実施したアンケート(4月下旬実施、N=104)の結果を元に、その実情を紹介したい。

アンケートでは、まず「コロナショックによる投信販売への影響」を聞いているが、「投信販売額の減少」が78%でトップ(図1参照)。

2位には「販売現場のモチベーションの低下」が69%で続き、金融のプロであるアドバイザーたちにとっても厳しい状況だったことがうかがえる。3月の投信販売額を前年同月比で聞いた結果も平均52%となり、緊急事態宣言が全国に拡大された4月は、さらに落ち込んでいた可能性が高いだろう。

アンケートには、販売現場の生の声も寄せられている。「顧客との面談機会の減少。新規先への提案が現状不可能となっている」(関東地方の地方銀行)。「交代勤務により、少人数で日々の支店運営を行っているため、営業にまで手が回っていない。渉外係は融資相談の増加により、投信に時間をかけられる状況ではない」(中国地方の第二地方銀行)。

一方で、少数派ながら「投信販売額の増加」が見られたところがある点にも注目したい。

「すでに保有していた商品の多くが値下がりしたため、今後の運用方針についての相談が増える一方、値下がり局面を狙った買いも見られた」(東海地方の地方銀行)。「コロナは金融危機とは違い、状況が収まれば回復するため。在宅勤務で時間ができた人が多いため」(関東地方の証券会社)。「短期的な相場変動を意識する方は、足元の相場は安いと感じているようで、一括投資、積立投資に関係なく購入が増えている」(近畿地方のIFA)。

ここからも分かる通り、今回の状況をむしろ好機と捉えていた投資家は決して少なくなかったが、リーマン・ショックを経験しているかどうかも1つの試金石となったようだ。「リーマン・ショックを経験しているお客さまは、焦っていない様子。リーマン後に投資を始め、利益を出していた方や投資経験が短い方が焦って解約に走っている」(北陸信越地方の地方銀行)。

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Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。
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