定額給付金の10万円で資産運用に挑戦! FPが目標別にポイントを解説

定額給付金の10万円で資産運用に挑戦! FPが目的別にポイントを解説

  • 公開日:2020.07.08

Editor's Eye

新型コロナウイルスの感染拡大に対応する政府の緊急経済対策のひとつとして、国民一人当たり10万円の特別定額給付金の申請と給付が進められています。使い道はさまざまありますが、コロナ禍による影響をさほど受けずに済んでいる人の中には、給付金で投資にトライする人もいるようです。金融関連の取材経験が豊富なフリーランス記者でファイナンシャルプランナーの森田悦子さんに、給付金を投資に充てる場合のポイントを教えてもらいました。

コロナ禍の影響で、多くの家計が打撃を受けました。自営業やフリーランス、非正規雇用の人たちはもちろん、正規雇用の会社員として働く人たちも休業を余儀なくされたり、ボーナスを大幅カットされた人もいます。こうした事態を受けて、投資や副業などで収入源を分散する必要性を痛感した人も多いのではないでしょうか。

今回、国民一人当たりにつき10万円支給される特別給付金の使いみちとしては、まずは生活費や差し迫った出費に充てたり、貯蓄に回して今後に備えることを優先したいものです。余裕のある人なら、深刻な影響を受けている事業者を応援する消費に回したり、寄付をするのもいいでしょう。

一方、これを機に投資を始め、給与以外の収入チャンスを模索したいとニーズもあるようです。確かに、「投資には興味があるけど、ちょっと怖い」と感じていた人も、もともとなかったお金だと思えば最初の一歩を踏み出しやすいかもしれません。

個人の資産運用では、投資信託か個別株が一般的ですが、初めての投資なら少額でも投資対象を分散してリスクを抑え、投じる金額も自由に設定できる投資信託が使いやすいでしょう。ここでは、ライフスタイルや用途別に、投資信託を使った初めての投資におすすめのプランをご紹介します。

子どもの進学資金や住宅ローンの頭金など、使う時期がある程度決まっている資金は、教科書的にはリスクのある投資に回すべきではない、とされています。しかし、使う時期まで5年以上の期間が見込める場合は、預貯金に置いておくのはもったいないかもしれません。

こうしたケースでは、大きく減らさないことを重視した運用をするリスク軽減型のバランスファンドで運用してはどうでしょうか。「可変配分型」などとも呼ばれ、近年は「投資のソムリエ」や「リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)」など、こうしたタイプの投資信託が増えています。

リスクを抑える方法としては、値動きの異なる株や債券、REITなどに分散投資する方法が定番ですが、近年はこれらの対象に分散しても同じような値動きをして分散効果が得られないケースが増えています。しかも世界的なゼロ金利下で、債券でリターンを得ることも難しくなっており、伝統的な分散投資だけではリスクを抑えることが難しい状況にあります。

リスク軽減型のバランスファンドは、単純に投資先を分散するだけでなく、相場変動に応じて機動的に配分を変えたり、ロングショート戦略という、買い建てと売り建てを組み合わせて下落相場でも利益を狙う手法を取り入れたりすることで下落局面での損失を抑える商品です。

2020年3月は新型コロナウイルス感染拡大の懸念で世界中の株式市場が暴落し、市場平均に連動するインデックスファンドの多くはマイナス2ケタとなる大幅な下落率を記録しているのに対し、前述した2商品は月末と月初の基準価額がほぼ変わらない状態でショックを乗り越えました。このタイプの商品の中では歴史が長い「投資のソムリエ」は、2012年の設定から直近までの価格変動を示す騰落率は26%前後で、値動きも安定しています。

ただし、こうしたリスク軽減型のバランスファンドが相場下落時にどのような戦略を実行するかは、商品によって異なります。また、今回の下落を乗り切ったからといって、その戦略が次の下落相場でも通用するわけではありません。全ての商品で損失を抑えられるわけではないので、絶対に減らせないお金には向かないことは留意しましょう。

目先のリスクを抑えてくれるリスク軽減型商品には相応のコストがかかりますし、結果としてリターンを逃してしまうこともあり得ます。しかし、10年以上の時間をかけてじっくり育てていけるお金なら、目先の変動よりも長期的目線で見た利益を狙いにいけばよいので、こうしたコストを払う必要性は薄れてきます。老後の生活資金など、10年以上運用を続けられる資金なら、市場の動きをダイレクトに反映するインデックスファンドが向いています。

インデックスファンドはリスク軽減型とは異なり、市場が暴落すればそのダメージをダイレクトに受けてしまいますが、回復や成長の恩恵もそのまま受けることができます。また、保有中にかかるコストである信託報酬が低いのでパフォーマンスの妨げになりにくく、長期でも安心して保有を続けられるのもメリットです。

どの市場に投資するかという点については、MSCIコクサイ・インデックスといった、日本以外のアメリカを中心とする先進国株式の指数に連動する商品を基本に考えます。同インデックスに連動するファンドとしては、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」などが人気です。

より幅広い分散投資をしたいなら、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」に代表されるような、日本や新興国も含めた世界中の株式にまとめて投資できるインデックスファンドがいいでしょう。

一方、分散という観点で言えば債券への投資も必要です。ただ、現時点では債券に投資するメリットはほとんどありません。しかし、長期的にはこうした目先の相場観が資産成長の妨げになる可能性もあるのです。そういった意味で、教科書通りに世界の株と債券に分散投資するバランス型のインデックスファンドもひとつの選択肢に挙げられます。

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著者

森田 悦子 フリーランス記者/ファイナンシャルプランナー
森田 悦子
地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネス。新聞、雑誌、ムック、ウェブメディア、企業広報誌などで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿。
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