お金のビギナーの疑問をズバッと解消「わかりやすいにもホドがある!今さら人には聞けないけどとっても知りたい 投資とお金のはなし」

【本の中身を特別にチラ見せ】「今さら人には聞けないけど とっても知りたい投資とお金のはなし」/初心者向けおすすめ本

  • 公開日:2020.07.22

Editor's Eye

資産運用やシニア層向けライフプランをテーマにさまざまなメディアで活躍する経済コラムニスト大江英樹氏が、お金の4つの側面――貯める、増やす、備える、使う、について分かりやすく解説した『わかりやすいにもホドがある!今さら人には聞けないけどとっても知りたい 投資とお金のはなし』。その中から、お金に関する素朴な疑問・モヤモヤに答えるいくつかのチャプターを丸ごとご紹介します。

最強の貯め方-どうしても貯金できない人へ

「どうしても貯金できない人へ」というタイトルを見て、多くの人は「ああ、自分もそうかもしれない」と思っているでしょう。でも実を言うと、世の中のほとんどの人が「貯金できない体質」ですから、決して落ち込むことはありません。そして、それはごく普通のことで、一般的に人間の脳の仕組みは本質的に貯金ができにくいようになっているのです。そのメカニズムが一体どうなっているのかを考えてみましょう。

貯金というのは、今あるお金を使うのを我慢して将来のために残しておく行動です。ところが、人間は先の楽しみのために今の楽しみを我慢しておくというのが本来はとても苦手なのです。

経済学に「時間割引率」という概念があります。時間割引率の高い人、という言い方をしますが、これは遠い将来の価値よりも現在の価値の方を高く見積りがちな心理のこと。つまり「せっかち度」を表しており、この時間割引率の高い人ほど、貯蓄ができにくいという傾向があるのです。

時間割引率とは、将来の価値が現在の価値に比べてどれくらい割り引かれるか

例えば、小学校の夏休みの時に先に嫌な宿題を済ませてしまうか、最初に遊び呆けて最後の一週間で慌ててやるか。時間割引率の高い人というのは後者です。そして、実際にはそういう人の方が多いでしょう。だから計画的に貯蓄をするというのは容易なことではないのです。このため、いくら将来が大切だとか、老後の備えは必要だということを力説されても、理屈ではわかるものの、実際にその通りに行動することはなかなかできません。これは程度の差こそあれ、多くの人に共通する傾向です。

投資の儲けは不労所得ではなくリスクの対価

多くの人が「投資の儲けは不労所得だ」と思っているでしょうが、それは間違いです。「働く」という行為が、単にモノを作ったり売ったりすることだけなら、世の中の経営者は働いていないことになります。でも彼らは決して働いていないのではなく、戦略を考え、調査分析を参考にし、どこに経営資源を投入するかの意思決定を仕事にしています。その結果に対して責任を取るというのも経営者の立派な仕事です。

投資家と言う存在は、経営者とやることは基本的に同じです。つまり投資家はリスクを取って、何に投資するかを判断するという仕事をしているのです。仕事ですから決して簡単というわけではありません。それなりに最低限知っておくべき基礎知識は勉強しなければダメです。

最近では投資信託で投資を始める人が増えていますし、「それなら簡単だ」と考えている人も多いようですが、投資を甘く見てはいけません。

投資信託では、株式投資と違って、どこの会社に投資するのかを専門家に任せるわけですが、任せたからといって責任を持って儲けてくれるわけではありません。儲かるか損するかの責任は、あくまでも任せた人にあります。私自身は、株式についての基本的な知識も持たないまま、投資信託なら楽ちんとばかりに安易に投資信託を購入する最近の風潮にはいささか違和感を覚えます。投資信託は複数の株式や債券を組み入れて運用する仕組みの金融商品です。それを購入するにあたって、その中に組み入れられている商品の原理や値動きのメカニズムぐらいは知っておいた方が良いと思います。

もちろんプロではありませんから、仕事の合間にそんなに時間をかけて投資の勉強をしたり、企業の調査や分析をしたりすることなどできません。でも、少なくとも株式投資の本質や基本的な原理原則は知っておくべきです。

「株式投資って難しそう」という問いに対しては、「簡単とは言わないけど、さほど難しいわけでもない」というのが答えです。

書籍ではこのあと、株式投資の本質に触れながら、様々な方法での株式投資を紹介しています。株式投資のやり方は1つではありません。様々な方法があり、それらを知った上でその中から自分に合ったやり方、自分にやれそうな方法を使えばいいのです。

年金保険料を払わないと大損する理由

「年金は信用できない」といって自助努力で老後の備えをする、という人はいるでしょう。それは決して悪いことではありません。蓄えは多ければ多いほど将来豊かな暮らしができることは間違いないからです。

でも1つ気をつけてほしいのは、「年金なんてどうせあてにならないから」といって、年金保険料を払わないことです。サラリーマンであれば、年金保険料は給料から自動的に天引きされていますから、まず未納になることはありません。ところが自営業やフリーランスの人は自分で納める必要があります。

こうした人たちの中には「どうせ年金なんてもらえないだろうから、保険料は払わない」という人が実際にいるのです。でもこれはとんでもない間違いです。そんな誤解のまま、もし年金保険料を払わなければ、将来必ず大きな損をすることになります。なぜなら、年金制度は今後サイズが小さくなることはあったとしても無くなったり破綻したりすることはないからです。

では、なぜそんなことが言えるのでしょう? もし仮に将来、国が年金制度を廃止し、「今後一切年金は払いません」と言い出したら、一体どんなことが起こるでしょう。おそらく国中がパニックとなり、デモが頻発し、社会不安から暴動が起きるかもしれません。そして年金制度がなくなってしまえば、自分で老後資金を用意するしかありませんし、できなければ生活保護に頼るしかありません。中には「年金保険料なんか払わなくても生活保護で暮らした方がいいんじゃないの?」という人がいるかもしれません。でも国にとっても、年金制度を維持する方か、ずっといいのです。

現在の公的年金は保険制度のため、将来年金を受け取れる権利を得るためには自分で保険料を払わなければなりません。と同時に国民年金で言えば、国がその半分を負担しています。ところが、もし年金制度を破綻させてしまったら、将来、保障のための原資は全額国が負担しなければならなくなります。

国が負担するということは税で賄われるということですから、当然税金は大幅に上がります。消費税10%どころではない、とんでもない大増税になるでしょう。これはどう考えても合理的ではありません。修正を加えながらでも現在の年金制度を維持していく方が、国民にとっても国にとっても得なのです。

いかがでしたか? 「なぜか貯金ができない……」「投資ってズルしてる気がする」「年金なんてどうせなくなるんでしょ?」といった資産運用のビギナーが抱く悩みや疑問をズバッと解消してくれる、投資とお金の初心者におすすめの一冊です。

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著者

大江 英樹 経済コラムニスト
大江 英樹
1級ファイナンシャルプラニング技能士、CFP®、日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員、日本FP学会会員、上級生涯生活設計コンサルタント。大手証券会社において25年間、個人の資産運用相談に携わり、2001年10月より確定拠出年金における投資教育業務に従事した後、2012年に独立。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。

参考サイト
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