
お金の“知恵”を身に付ける一冊「今さら人には聞けないけど とっても知りたい投資とお金のはなし」/初心者向けおすすめ本
- 公開日:2020.07.22
Editor's Eye
2019年に起きた「老後2000万円問題」やコロナ禍による株式市場の乱高下により、この1年ほどでかつてないほど多くの人が資産運用に目を向けました。その一方、「私もそろそろ投資くらい始めないと……でも、何から手を付ければいいの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。この7月、まさにそんな人たち向けた書籍を上梓した経済コラムニスト大江英樹氏に、本書に込めた思いを語ってもらいました。
「簡単にできる投資」は存在するのか
この本は主に30~40代の人たち向けに書いた本です。なぜその年代の人なのかというと、30~40代というのは、「最もお金のことを知って、考えておかなければならない」年代であるにもかかわらず、「最も忙しくてお金のことを考えられない」世代だからです。
実際、世の中には、この世代の人たちに向けた、「手軽に、簡単に資産形成ができる!」とアピールする本が溢れています。それらは金融機関の戦略とも合致して、多くの人たちに「手軽に投資を始める」ことだけを訴えかけます。
でも私のように40年近くも証券会社で仕事をしてきた人間から言わせると、投資や資産形成を「簡単」「手軽」というキーワードだけで始めてしまうのはいささか危なっかしいと言わざるを得ません。投資は、原理原則を知ってしまえばとてもシンプルなものではありますが、決して「簡単にできる」と言い切れるようなものでもないからです。
身に付けるべきは知識でなく“知恵”
だからこそ、本書では、お金や投資に関する“知識”を伝えるのではなく、それらを扱うために最低限必要な“知恵”を伝えようとしています。なぜなら、知識は時代とともに変わっていきます。そのため、常に新しい知識をアップデートしていくことが必要ですが、知恵は普遍的なものです。だからこそ、まだ現役でバリバリ活躍している人たちに、早いうちからぜひ、投資や資産運用にまつわる本質的な“知恵”を身に付けてもらいたいのです。
具体的には、この本は7章から成ります。最初の章は本当にお金について最低限知っておくべきベーシックな7つの項目から成っており、忙しい人はまずこの部分だけでも読んでもらえればいいようになっています。本編である残りの6つの章は「貯める」「増やす」「備える」「使う」というお金の動かし方の4つのパターンをそれぞれの観点から解説しています。特に本のタイトルにもあるように「投資」については少し詳しく触れたいので、「増やす」の解説に3つの章を使っています。
読んでみると恐らく今までの常識とは少し違った印象があるかもしれません。一般的な投資や資産運用の常識と言われているものの中にはかなりいい加減なものや、必ずしも正確ではないものもたくさんあるからです。例えば
- 預金はインフレに弱いとは限らない
- 投資の儲けは不労所得ではない
- 外貨を持つ必要はない
といった内容は、タイトルだけを見ると「え!それって本当?」と思うかもしれません。しかし、一歩踏み込んで考えてみると、投資や資産運用の常識が必ずしも正しくない場合もあるということがよくわかります。
気負わず、気軽に読み始めてほしい
お金に関して身に付けておかなければならない大切なことは、たった2つしかありません。それは、「固定観念にとらわれず、常に柔軟な見方や思考を持つ」ということ、そしてもう1つは「何をするにしても自分の頭で考えて判断する」ということです。したがって、「こうすれば儲かる」とか「このやり方で1億円作った」みたいな本は、一見役に立ちそうでいて、実はほとんど役に立たないものが多いのです。
本書は投資やお金の本質について書いたものではありますが、あまり難しい理論や言い回しは避け、極力誰が読んでもわかりやすいようにということを意識して書いています。最初からしっかり通読しようということでなくても、ぜひ気軽に読み始めていただければ良いと思います。そして気が付けば、みなさんにとって、「投資とお金の本質」がちゃんと身に付いているようになっていることを願っています。
実際のところ、「今さら人には聞けないけど とっても知りたい投資とお金のはなし」にはどんな内容が掲載されているのでしょうか。本誌の中身を特別にチラ見せします! 以下のリンクをクリックしてご覧ください。