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約4000万円の投資信託、年金生活の始まる65歳までにどう取り崩す?

  • 公開日:2020.09.02

現在の家計を拝見すると、月々の生活費は8万9000円。それに、3ヶ月に1度の旅行3万円(1ヶ月あたり1万円)を加えても、ひと月10万円で生活できていることになります。

実際の暮らしには、毎月の決まった生活費以外にもさまざまな支出があります。1年の中では固定資産税の支払いもあれば、家具家電の買い替えや、冠婚葬祭費用などもあるでしょう。さらに、体調を崩して通院することもあるかもしれません。こうした費用として年間60万円(ひと月5万円)を上乗せしたとしても、ひと月15万円の生活費で足りると考えられます。

年間の生活費を計算してみると……
15万円×12ヶ月=180万円

ちょうど現在のパート代を含めた年収と同じになります。仮に投資信託を100万円ずつ取り崩した場合、年金が80万円受給できれば、現在の生活が成り立つと考えられます。

老齢基礎年金額は満額で年間約78万円。さらに、ご主人の遺族厚生年金か、平井さん自身の老齢厚生年金かのどちらか金額が多い方が上乗せで支給されると考えられます。現在の生活ペースを維持するためには、投資信託の取り崩しは年間100万円で足りると考えていいでしょう。

基本的には、投資を続けながら取り崩していくことになります。ただし、ここまでに見てきたように、平井さんの生活はリスクをとって大きなリターンを狙わなくても、安心して長生きができると考えられます。

今回のコロナで「一時的に資産が30%近く減った」とありました。最近ようやく元に戻ったということですが、もっと高齢になった時には、こうした価格変動が大きなストレスになると考えられます。リスクを抑えた運用に少しずつシフトしていきましょう。

現在保有中の投資信託は……

・バランス型(国際分散投資)
・バランス型(国内資産の分散投資)
・米国債券型
・オセアニア債券型
・米国REIT型
・テーマ型(海外のAI関連株)

の6種類とのことでしたね。全体的に債券型やバランス型ファンドが中心となっています。ただ、リスクを抑えた投資先のわりに、手数料が高めのファンドが多い点が気になります。例えば、2番目のバランス型のファンドは投資対象が国内資産で、しかも7割が国内債券への投資となっていますが、同タイプのファンドに比べると手数料が高く(信託報酬が約0.9%)、近頃は運用成績もよくないようです。コストがかからず、元本保証の個人向け国債などにシフトしてもいいでしょう。

6番目のテーマ型ファンドは、世界のAI関連株に投資しています。コロナショック後でも好調な投資先も含まれており、運用は好調のようですが、60歳以降長期で持つにはリスクが高い投資先となっています。もうしばらく保有しつつ、タイミングを見て売却することも考えましょう。

現在保有している投資信託は、銀行でお勧めされたものを購入しているとのこと。「購入した時に流行っていたファンド」を、「担当者が変わるたびに追加で購入している」とおっしゃっているのが気になりました。

保有しているファンドを拝見すると、販売時手数料が2%前後かかるものが多いようです。仮に1000万円の2%というと、それだけで20万円ですから、コスト負担としては見逃せません。増やすことを考える前に、大きなコストを払わないことにも気をつけましょう。

すでに「管理するのが大変になっている」と感じているようなので、保有数をまずは現在の6本から4本程度まで減らしていき、納得できるものだけを保有するようにしましょう。

このアドバイスが、より充実した老後生活の参考になれば幸いです。

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著者

氏家 祥美 ファイナンシャルプランナー
氏家 祥美
お茶の水女子大学大学院修了。2005年に女性4名でFP会社を設立して実績を積んだのち、2010年にFP事務所ハートマネー代表に。共働き家族やリタイアメント層に向けたマネー&キャリアプランニングを得意とする。webメディアや雑誌、書籍での執筆のほか、家庭科教科書の経済パートを執筆するなど、金融リテラシーの普及をライフワークとしている。

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