「一人暮らしがしたい!」手取り月16万OLが始めるべき投資とは?
みんなの資産運用相談

「一人暮らしがしたい!」手取り月16万OLが始めるべき投資とは?

  • 公開日:2020.08.28

Editor's Eye

読者の方から寄せられた、資産運用にまつわるお悩み相談をお金のプロが解決する「みんなの資産運用」企画が始動! 今回は25歳会社員から寄せられた「親に勧められて保険や定期預金を組んだものの、果たしてそれだけでお金は増やせるのか……? 今の私に合った投資を始めたい」という声をピックアップ。さまざまなライフステージの女性に寄り添ってきた実績を持ち、読めば前向きになれる、温かい人柄溢れる文章にも定評のあるファイナンシャルプランナー小沢美奈子さんにアドバイスを送ってもらいました。

【渡辺 由香里(仮名)さんプロフィール】
25歳、未婚。実家で両親と同居・愛知県某市在住。
地元の大学を卒業後、地元の建築会社で事務の仕事をしている会社員。一度も実家を出たことがない。車社会な地域柄もあり、通勤も週末の楽しみも車ありき。やさしい両親、繁忙期以外は17時に終わる仕事……etc. 現状に不満はないが、社会人3年目を迎え仕事にも慣れたこともあり、“自立”というものに真剣に向き合い始めている。趣味はドライブ、名古屋に繰り出してのショッピング(月1回)、読書。

【寄せられたお悩み】
「親に勧められるがまま、契約した個人年金保険(5年ごと利差配当付個人年金保険)と定期預金の積立。これは正しいの…? と、最近疑問を感じ始めました。親の言う『貯金と保険こそ間違いない』という考えが今の時代にあっていないと感じるのです。
そして、30歳までには実家を出たいと思っています。そのためにお金を貯めつつ、かつ、増やせたらいいなと投資にも興味が出てきました。現状、特定の相手もいないので一応一人暮らしを想定しています。結婚することになったら、(そのお金は)結婚資金に充てたいです。手取りが多くない私にできる、おすすめの最初の一歩が知りたいです」

【今回の相談ポイント】
① 親に勧められ、銀行で契約した「個人年金保険」と「定期積立」が現状の資産運用。果たしてこれは続けていていいのか?
② 30歳までに、実家は出て一人暮らしをしたい。そのための準備資金を貯め・増やすための投資はあるのか?
③ ②で投資を始めるとして、どんな商品をいくらぐらいで始めたらいいか? それは30歳の一人暮らしを始めるときにどのくらい切り崩しても(=解約しても)いいのか。

【資産状況】
<総資産>約100万円
内訳:
・預金:100万円 
※毎月個人年金保険の払いこみをしているが、資産には加えていない。
※渡辺さんの会社は企業型確定拠出年金(企業型DC)を取り入れているが資産には加えていない。ちなみに、企業型DCでは、定期預金3:投資信託(海外株式)7と指定して運用中。会社の説明を通して、「投資信託」を知ったことも、上記お悩みにあるような「親のおすすめする運用でいいのか?」という疑問にいたった遠因の模様。

【収支】
<収入>
・毎月の手取り金額:16万円
・年間の手取りボーナス額:約60万円

<支出>
・毎月の出費:約14万円(詳細以下)

※余ったお金はそのまま普通預金にプールしておき、ボーナスの一部と合わせて、年1回の自動車税(1万円ほど)、自動車保険(年払いで6万円ほど)、2年に1回の車検(8~9万円ほど)、友人の結婚式といったイベントごと、2か月に1回の美容院代(0.8万円ほど)に対応している。

※1……「実家暮らしなので、住居費や光熱費はかかりませんが、親に月3万円渡すようにしています」

※2……「実家で食事をする平日の朝、夕はかからないのですが、会社での昼食や外出する休日は外食やテイクアウトを楽しんでいます」

※3……「5年ごと利差配当付個人年金保険です。新卒のとき親に銀行窓口に連れていかれ(笑)、加入しました」                                               

※4……「県民共済愛知(生命保険)に加入しています。こちらも、個人年金保険と同様、新卒のときに親に書類を用意され(笑)、契約しました」


***

現在ご実家にお住まいの渡辺さん。社会人3年目を迎え「自立に向き合い始めた」というのはとてもよいことですね。ぜひ、今回のご相談が渡辺さんの自立に役立つ内容になるよう、精一杯お答えしたいと思います。

さて渡辺さんは、手取り16万円のうち、ご実家に3万円納めていることや、ご両親が勧められた貯金や保険に3万円以上積み立てていることなど、堅実なご様子がうかがえます。私が見る限り、食費や交際費、服飾・雑貨費においても、特に使い過ぎているような印象はありません。現在ご加入中の県民共済についても、割安な掛金で幅広い保障が得られ、しかも割戻金もある点で無駄のない選択だと思います。これからもこの調子で続けていくとよいですね。

そんな中でご相談のポイントにも挙げられている通り、保険を含めたお金の貯め方については改善点があると思います。それらについて考えていきましょう

まずは個人年金保険の特徴を確認したいと思います。個人年金保険は、老後に所定の額の年金を受け取ることができる保険です。

<個人年金保険の主な特徴>
・契約時に定めた年齢から年金が受け取れる
・年金が受け取れる期間は、期間が決まっているものや、一生涯受け取れるものなどがある
・年金受取前に死亡すると、払込相当額程度の死亡保険金が受け取れる

人生100年時代と言われている中で、たとえ20代であっても老後に備えておくことは必要な時代になってきました。個人年金保険は基本的に元本割れのない商品であるため、確実な老後資金を形成するには安心できる商品です。一方、個人年金保険は既に金利が約束されている、いわば固定金利の商品です。固定金利の商品ということは、今後、世の中の物価が上昇し金利が上がったとしても、個人年金保険の金利は上がることがないことを意味しています。

現在20代の渡辺さんは、老後まで40年近くあります。その間、日本経済は成長し、情勢が大きく変化することもあるでしょう。そんな中で固定金利の商品にお金を託すのはもったいない気がします。

一方、渡辺さんは企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入されているそうですが、20代の渡辺さんが受け取っている収入からしても、老後資金の準備は企業型DCで十分のように思え、あえて個人年金保険で準備する必要性は高くないように感じます。企業型DCでしたら、仮に将来会社を退職したとしても、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)へ移管が可能です。iDeCoなら税金の優遇を受けながら長期的な資産形成ができます。そのため、まずは老後資金については企業型DCを活用することを第一に考えてみてはどうでしょうか。

そこで企業型DCについて一つご提案があります。渡辺さんの運用は、定期預金に3割、海外株式の投資信託に7割という商品構成となっているようですが、より積極的な運用を行えば増やせるチャンスも十分あります。例えば定期預金をやめて、その分をインデックス型国内株式の投資信託で運用する、というのも増やすチャンスを作る上での1つのポイントです。

個人年金保険に話を戻すと、個人年金保険はご両親が渡辺さんのことを考えて勧められた保険だと思います。続けるかどうかはお一人で決めるのではなく、ご両親と相談した上で決めるとよいのではないでしょうか。

渡辺さんは月2万円を定期預金に積み立てているそうですが、すべて銀行に預金するのではなく、一部を「つみたてNISA」で積み立てることをご提案します。なぜなら、昨今銀行預金では、お金を増やすことはほぼ不可能です。20代の渡辺さんにはぜひ投資にチャレンジしてほしいと思います。投資にも色々ありますが、まずは税制優遇を最大限活用した「つみたてNISA」で資産形成をするのがよいでしょう。運用益が非課税になり、途中で解約して使うこともできるからです。

例えば、定期積立の月2万円のうち1万円は今まで通り銀行の積み立てに、残りの1万円を「つみたてNISA」で運用してはいかがでしょうか。増やす部分と守る部分の両方を維持することができます。

では、どのような商品で運用するのがよいでしょうか。

老後まで40年以上ある渡辺さんでしたら、株式型の投資信託で、インデックス型だけではなくアクティブ型の投資信託を混ぜて資産形成をしてはいかがでしょうか。割合は、アクティブ型商品へ3割、残りの7割をインデックス型を目安にしてみましょう。「つみたてNISA」の中で選べるアクティブ型の商品は限られているかもしれませんが、扱う商品数の多いネット証券会社に口座を開いておけば、選択の幅は広がるでしょう。

引っ越し費用は、賃貸か持ち家か、引っ越す場所や物件の条件、家具や家電製品など購入する物の数によって費用は異なりますが、ご実家から賃貸物件に引っ越すのであれば50万円位貯めておけばまかなえるでしょう。現在約100万円の貯金があるそうですが、今のまま毎月2万円を積み立てて、仮に投資した部分に元本割れがなければ、渡辺さんが30歳になる5年後には120万円になり、現在の貯蓄額と合わせると220万円ほどになります。もちろん運用がうまくいけば、その分資産は増えます。今のペースでしっかり貯めていけば、引っ越し費用も問題なく貯まるでしょう。

ただし、もし将来の結婚や住宅購入を視野に入れたとすれば、貯蓄は多いに越したことはありません。先取り貯蓄でしっかり貯めて行きましょう。

とはいえ、20代のうちにしかできないことも楽しんでほしいと思います。ずっとお金のことばかり考えているのでは、つまらないですよね。積立投資で、ほったらかしでもお金を増やせる仕組みを作ることが大切です。そこで重要なのがお金や投資の知識です。本を読んだり、実際に商品を見比べたりしながら、無理のない範囲内で、お金の勉強を続けることも忘れずに。

著者

小沢 美奈子 ファイナンシャルプランナー
小沢 美奈子
K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社や独立系FP事務所等を経て独立。記事の執筆、セミナー講師、家計相談を行う。趣味はカメラ。
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