50歳になったら始めよう――定年を迎えてからでは遅過ぎることも

サラリーマンにとって50代は“会社人生の集大成”。責任ある立場で、仕事に追われる毎日を送っている方が多いのではないでしょうか。一方で、50代は“リタイア後に向けたウォーミングアップ期間”でもあります。実際に定年を迎えてから対処するのでは遅過ぎる課題は確実に存在し、仕事に邁進するあまりそちらを疎かにしてしまうと、定年後数十年に渡ってそのツケを払い続けるはめになりかねません。

そこで本稿では、50歳から定年を迎えるまでの10年間で必ず準備しておきたいマネー関係の事柄について言及したいと思います。

「定年後」「マネー」と言えばまず気になるのが、65歳から支給される公的年金のことでしょう。公的年金をどれくらい受け取れるのかによって、リタイア後の資産設計も変わってきます。

毎年、誕生月には日本年金機構から「ねんきん定期便」が送付されます。50歳未満は集計時点の加入実績から計算した年金額の記載にとどまっているのに対し、50歳以上は1年間の受け取り見込み額が明示され、より状況を把握しやすくなります。内容を確認しないまま破棄してしまったり、紛失してしまったりした場合は、ねんきんネットで利用登録の手続きを行えば、365日24時間いつでも自分の加入記録や受け取り見込み額を調べることができます。