突然夫に先立たれた妻が「中立的なマネーアドバイス」で得た安心とは
“お金のかかりつけ医” IFAのアドバイス事例

突然夫に先立たれた妻が「中立的なマネーアドバイス」で得た安心とは

  • 公開日:2020.10.27

Editor's Eye

銀行や証券会社等の金融機関と比べ、長期的な目線でさまざまな資産の相談に応じると言われているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)ですが、彼らは相談者に対し実際にどんなアドバイスをしているのでしょうか。印象深かった相談内容をIFAに振り返ってもらうシリーズ連載第8回では、2006年創業の老舗IFA法人GAIAでプライベートFPを務める鈴木健太さんに、突然夫を亡くし、保有資産の相談に来た女性の事例について語ってもらいます。

今回は、突然パートナーを亡くし、シングルとなった川端佳恵さん(55、仮名)の例をご紹介しましょう。

相談者:
川端 佳恵さん(仮名、55) フリーランス

ご家族:
長女 美佳さん(仮名、30)
次女 沙保さん(仮名、25)

川端さんはインターネット検索で当社のことを知り、相談の申し込みをされました。

数あるIFAの中からどうやって当社を見つけたのか聞くと、「FP 中立 資産運用」といったワードで検索したとのこと。FPや資産運用といったキーワードで検索される方は多いのですが、最近は川端さんのように、中立的な立場からのアドバイスを重視される方が増えていると感じています。

川端さんは、数年前にご両親から約9000万円の資金を相続されましたが、その運用は亡きご主人に任せきりだったため、価格変動のたびに不安を感じていました。

また、運用のことは詳しくは分からないながらも、ご主人と証券会社のやりとりを見てきた中で「担当者が次々と変わってしまうし、いい人もいれば、信頼できない人もいる」と感じており、大手金融機関ではない人の意見を聞きたいと希望されていました。「中立」を検索ワードに加えたのも、こうした経緯からだったようです。

当社の初回の相談では現状の把握に加えて、ご本人の人生観や価値観についてお聞きすることを大切にしています。お金はただ貯めたり増やすだけでは意味がなく、何のために、どう使っていくかが重要だからです。

川端さんは、ご自身でカラーコーディネーターの仕事をしているため、常に美しくありたいと努力されていました。お金や生活に不安があるようでは、内面から輝く美しさをキープすることは難しいでしょう。そのためにも、資産運用の方針としては、老後のお金が枯渇しないか心配したり、資産が大きく変動するたびに不安を感じることがないようにしたいと考えていました。

自分が持っている金融商品の中身がよく分からない状態のまま、パートナーを亡くしてしまった川端さん。保有していた商品を確認してみると、新興国通貨建ての株式ファンドと個別株式、そして仕組債でした。

価格変動の大きい株式資産を、同じく変動の激しい新興国通貨建てで保有する商品は、不安をなるべく減らしたい川端さんにとって相当リスクが高いと言わざるを得ません。うまくいけば大きなリターンも狙えるでしょうが、大きな変動のたびにハラハラしてしまう人には不向きです。同様に、個別の企業に投資する個別株も、複数の企業に投資する投資信託(ファンド)と比べて価格の変動は大きくなります。また、シンプルな債券に比べてリスクの高い仕組債も、同じ理由で川端さんには向かない商品と考えました。ただ、仕組債は満期前に売却すると大きな損失が出てしまうので満期を待つことにし、まずは投信と個別株を手放すことにしました。

キャッシュフロー表を作成する過程でお話を伺っていくと、自宅のリフォームも必要なことが分かったため、預貯金4000万円のうち、2000万円をリフォーム費用と生活防衛資金とし、残りの預貯金2000万円と投信・株式の売却資金3000万円を老後資金対策に充当するという基本方針を提案しました。

すると川端さんは、「娘は2人とも独立している。老後に迷惑をかけたくないので、将来介護が必要な状態になったら施設に入居したい」と言います。

一定水準以上の施設に入居するにはそれ相応の資金が必要ですが、川端さんはまだ55歳で、介護が必要になる年齢までには十分な時間があります。5000万円のうち3000万円は、長期の国際分散投資を目的とした当社のオリジナルファンドラップでじっくり成長させていくことにしました。

選んだのはリスク許容度が10段階あるうち、リスクの低いほうから4番目のタイプ。インデックスファンドとアクティブファンドそれぞれの長所を活かして、世界中の株式と債券に投資するものです。

インデックスファンドでは、低コストで先進国から新興国までをカバーすることが可能となります。一方、アクティブファンドは長期投資に専念しているファンドを採用しており、中長期で運用成果の改善が期待されます。また、このアクティブファンドの運用を担う運用会社は、2020年3月のコロナショックのようにマーケットが大きく下落するような局面で、投資家の不安を和らげ、状況の理解を手助けするようなさまざまなメッセージを発信してくれます。

残りの2000万円で購入したのは、分配型投信です。当社では会社設立間もない頃から、元本を削って過剰な分配金を出す「タコ足分配」を問題視しており、警鐘を鳴らしてきました。

ただ、問題なのは運用成果以上に分配金を出すことであって、分配金という仕組み自体は悪いものではありません。川端さんも「都度、自分で資産を取り崩すのは抵抗がある」と、分配を希望されました。そこで、タコ足分配はせず、運用成果に応じた適切な額の分配金を出す投資信託「楽天・インカム戦略ポートフォリオ・アルファ(愛称:みのたけ)」をお勧めしました。

この投資信託は、オリジナルファンドラップが投資対象としていないREITやハイイールド債券を主な投資先としているので、ファンドラップとは補完関係にあると言えます。彼女は海外旅行が趣味で、年に1度、50万円ほどの予算をかけて楽しんでいるというので、2000万円分保有していればちょうどそのぐらいの分配金が期待できます。

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著者

鈴木 健太 GAIA プライベートFP
鈴木 健太
大学卒業後に銀行へ入行し、住宅ローンや資産運用等の個人向け相談業務に従事。よりお客さまの人生に寄り添った提案がしたいと考える中、長期的な信頼関係を築きながらお客さまの「夢の実現」を目指すGAIAの姿勢に共感し、2018年に入社。お客さまの価値観に基づいたファイナンシャル・プランニングを強みに、お気持ちを大切にした資産運用アドバイスと実行支援を行っている。

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