「保険料が月6万円…」「趣味活費は削れない」アラサー女子の資産形成プランは?
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「保険料が月6万円」「趣味費は削れない」アラサー女子の資産形成プランは?

  • 公開日:2020.11.24

Editor's Eye

資産運用にまつわるお悩みにプロが回答するシリーズ。今回は“趣味活”に生きる、アラサー女子が登場。趣味へのお金・2万円は削れないうえ、月6万円を保険料として払っていることが家計を圧迫しているとのこと。しかもその保険だけでは、老後の備えとして十分なのか不安で、さらなる老後資産作りをしたいともお考えの様子。大手保険代理店でのキャリアを持ち、さまざまなバックグラウンドを持つ女性に寄り添ってきたFP(ファイナンシャルプランナー)前田菜緒さんにアドバイスをいただきました。

【岩井直子(仮名)さんのプロフィール】
32歳、千葉県で1人暮らし。予備校で事務の仕事をしている。
「生きがい」とも言える趣味はアイドルの追っかけ。チケットやグッズ購入など、かなり本格的に応援している。

【寄せられたお悩み】 
「趣味にお金がかかっており、なかなか貯蓄できていません。さらに、医療保険と個人年金保険に加入していますが、正直なところ生活費を圧迫していると感じます。一方で、さらに老後資金も貯めたいと思うように……。銀行の店頭やTVでも見かけるiDeCoが気になっています」     

【お悩みの論点】
①毎月の趣味費用・2万円を削ることはしたくない。
②保険料が家計を圧迫している……見直したほうがいいか、そして見直すならどの保険か。
③老後資金を作りたい(特にiDeCoが気になっている)。

【資産状況】
金融資産額:50万円
内訳
・預金:50万円

【収支】
<収入>
・毎月の手取り収入:22万円  
・手取りの年収:370万円                         

<支出>
・毎月の出費:約23万円(詳細以下)

※1……「仕事で疲れるとなかなか自炊できず、外食してしまいます」
※2……「家にはWi-Fiがありますが、設定がうまくいかずスマホはWi-Fiを利用していないんです(苦笑)。そのためパケット容量が多いプランで契約しています」
※3……「保険は終身保険と個人年金保険2種に加入しています」(詳細は後述)
※4……「実は月々の支出では赤字……。ボーナスで補填しています」


***

 趣味のために生きていると言う岩井さん。趣味にかけているお金は月に2万円と決して少なくありません。「趣味」と聞くと無駄遣いのように感じるかもしれませんが、趣味が働くモチベーションになっていることを考えると、このお金を削るべきではないでしょう。

むしろ、岩井さんが考えていらっしゃるように、まずは保険を見直すべきです。とはいえ、保険を減らすと老後が不安になってしまいますね。そこで、保険見直しのポイントや老後資金の作り方、考え方についてお伝えします。

確かに、給料の手取りが22万円で月6万円の保険料は負担が大きいですね。6万円の内訳は以下の通りとのこと。

・医療・定期保険付き終身保険 1万5000円

・個人年金A:2万円

・個人年金B:2万5000円


まず終身保険から確認しましょう。この保険は、岩井さんが新入社員の時に会社に出入りする保険会社の販売員から勧められ契約した保険だそうですね。内容は、医療保険と定期保険というオプションが付いた終身保険です。

終身保険以外は更新型のため10年ごとに保険料がアップする仕組みです。今の保険料は1万5000円ですが、来年は2倍の3万円にアップすることが分かっています。

そして、さらにその10年後、同じく2倍にアップするなら保険料は月6万円にもなるわけです。岩井さんは独身で、万が一の時はご両親に300万円ほど残せれば良いと考えています。現在の保険金は3000万円以上ありますから、過大になっていることがわかります。

新入社員の時に勧められるがまま保険契約した人は少なくありません。保険を比較することなく、さらに保険を理解できず加入したため、適切な内容になっていないケースが多いのです。また、この医療・定期保険付き終身保険は往々にして、定期部分の保障が厚く、終身の部分はそこまで保障が厚くないということも意外に知られていません。

しかし、保障内容はほぼ同じまま、保険料を抑えられる商品はあります。岩井さんの年齢であれば月5000円以内で必要とする保障を満たした保険に加入することは可能でしょう。しかも更新型ではありませんから保険料が上がることもありません。これで保険料は1万5000円から5000円に減らすことができます。


次に、個人年金保険を確認しましょう。Aは25歳の時、両親に勧められ契約した保険、Bは老後のために資金を作りたいと思い、28歳の時に契約した保険とのこと。契約内容は下記の通りです。

・個人年金A:800万円(60歳〜10年確定年金)
保険料20,000円、払込期間25歳〜55歳、返戻率111%

・個人年金B:1,000万円(60歳〜10年確定年金)
保険料25,000円、払込期間28歳〜60歳、返戻率104%

※返戻率……受け取る年金保険金の総額÷払い込んだ保険料の総額で、100%を超えていれば貯蓄性があるということになる。

個人年金Aは個人年金Bより返戻率は高いですね。また、Aは両親に勧められた経緯も考えると、見直しには抵抗があるかもしれません。まずBを見直しましょう。

岩井さんは、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)にご興味があるとのことで、個人年金BをiDeCoに置き換えた場合のことを考えてみましょう。iDeCoは職業や勤め先の制度によって、掛け金の上限が異なりますが、岩井さんの場合、iDeCoの掛け金上限は月2万3000円です。

どれだけ増やせるかは、これからの運用次第ですが、たとえ運用利回りが0%だったとしても、岩井さんの場合、iDeCoの節税効果により所得税、住民税合わせて掛け金の15% (所得税率5%、住民税率10%とする)ほどの税金を減らすことができます*。つまり、減らすことのできたお金をリターンと捉えるならば、ある意味15%の利回りがあるとも言い換えることができます。
*……掛け金2万3000円×12カ月=27万6000円。岩井さんは額面年収が約450万円なので、年間の節税額(iDeCoに加入しない場合の所得税・住民税ーiDeCoに加入した場合の所得税・住民税)は、およそ4万2000円弱。その前提のもと、4万2000円(節税額)÷27万6000円(掛け金)で計算している。

個人年金Bは、32年間積み立てて返戻率が104%(年平均利回り0.6%)ですから、iDeCoの方が、メリットが大きいことが分かります。しかも、岩井さんは60歳まであと28年もあります。iDeCoでの運用は元本保証がなく、またマーケットの影響を受けることがあるとはいえ、時間は資産運用において非常に強い味方になってくれます。

そう考えると、iDeCoを始めない選択肢はないでしょう。岩井さんの場合、運用できる時間がたくさんあるので、海外株式の投資信託を中心に積極運用することを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、個人年金Bを解約すると、返戻金は払い込んだ保険料を下回ります。せっかく今まで保険料を払ったのに、もったいないですよね。このような場合には、保険料を今後支払わない代わりに、保険金額を下げて保険を継続させる払い済み保険にすると良いでしょう。保障はサイズダウンしますが、解約による元本割れを防ぐことができます。

さて、ここまで医療・定期保険付き終身保険を1万5000円から5000円以内に、個人年金2万5000円をiDeCo 2万3000円に……と支出のコンパクト化と、岩井さんにより最適なプランの提案をしてきました。

毎月約1万円赤字がありますが、ここまでの見直しで赤字は解消されそうです(さらに家計で言うと、通信費も見直せるとベターなので、それは最後にお伝えしますね)。今まで、毎月の赤字はボーナスで補填していましたが、ボーナスで補填する必要もなくなり、今後はボーナスの有効活用も考えたいところです。

今は、まだ生活費22万円に対し、預貯金が50万円と、生活費の2カ月分しか預貯金がないので、この50万円の資産を運用に回すのは時期尚早です。しかし、ボーナスの手取りは年間100万円ありますから、1年後に貯金が生活費の6ヶ月分(=22万円×6=132万円)を超えたあたりから、つみたてNISAを始めることを考えましょう。

低金利時代の今、資産運用せずして資産形成は難しいと言えます。今後、家庭を持つかもしれませんし、住宅購入するかもしれません。そのようなケースに備え、預貯金が貯まったら、なるべく早くつみたてNISAで資産運用することをお勧めします。選ぶ商品のポイントを手短かにお伝えすると、手数料が低いインデックス型の投資信託がおすすめです。投資先は、iDeCoと重複しますが、海外株式がいいでしょう。

ここまででかなり出費は抑えることができました。もし、「最後の一手を」ということならば、見直す価値があるのは通信費です。家にWi-Fiがあるものの、設定がうまくいかず携帯はWi-Fiを利用していないとのこと。現在、容量の大きいプランを契約しているので、この設定がうまくいくと料金プランを下げられる可能性があります。容量を少なくした、5000円ほどのプランもあります。もう一度設定にトライしてみる価値は大いにあるのではないでしょうか。

***

趣味にお金がかかるとのことでしたが、ここまで来れば、趣味のお金を削ることなく、家計を整理でき、iDeCoでの資産運用もスタートできそうですね。

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著者

前田 菜緒 ファイナンシャルプランナー
前田 菜緒
FP事務所AndAsset代表。ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)。大手保険代理店に7年間勤務後、独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。子連れでセミナーに行けなかった自身の経験から、子連れOK、子どもが寝てから開催するなど、未就学児ママに配慮した体制で相談やセミナーを実施。経済的理由で進学をあきらめる子をなくしたいとの想いを持ち、活動中。

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