アクティブファンドを否定する人は、「過去の成績は将来を保証するものではなく、将来への期待もアテにならない」という原則論を持ち出すことが多い。確かに、将来のことは誰にも分からない。現に、今も世界を席巻している新型コロナウイルスの影響や、日米の急速な株高をピンポイントで予想できた人はそういないだろう。

しかしながら、「将来への期待などアテにならない」という考えで、市場全体の将来性や過去の実績に期待し、インデックスファンドに投資するというのもまた矛盾している。

周りの投資家が何を選ぶかではなく、自分がどうしたいか

世間では、今もなお「インデックスvs.アクティブ論争」が盛んに行われているが、アクティブファンドを選ぶ目的は2点に集約できると筆者は考えている。市場平均よりも高いリターンが欲しいか、または、市場平均よりもリスクを抑えたいか、である。

個人の資産形成においては特に、周りの投資家が何を選んでいるかではなく、最終的に「自分がどうしたいか」ということがファンド選びには重要だ。どれだけ良い成績をあげる投資信託が他に出てきたとしても、「自分は平均程度のリターンで十分満足だ」と考えるなら、インデックス投資を続ければよい。

前回の本連載(コストの負担は投資信託の「中の人」ファンドマネジャーを雇うため?)では、投資信託運用の要ともいえるファンドマネジャーの仕事内容について解説した。自身の大切な資金を託す先としてのファンドマネジャーと、そのファンドマネジャーが所属する運用会社に対して信頼を寄せることができるかどうか。先述の「自分がどうしたいか」ということと並んで、個人投資家がファンド選びで重視すべきポイントであると、筆者は考えている。

そこでここからは、運用担当者の情報がより重要視されている米国の例をご紹介するとともに、個人投資家が今すぐ実践できる、ファンドマネジャーにまつわる情報収集の方法を解説していく。