【本の中身を特別にチラ見せ】「定年前、しなくていい5つのこと 『定年の常識』にダマされるな!」/初心者向けおすすめ本

【本の中身を特別にチラ見せ】「定年前、しなくていい5つのこと 『定年の常識』にダマされるな!」/初心者向けおすすめ本

  • 公開日:2020.12.23

Editor's Eye

自身も「定年後」の生活を8年経験し、さまざまな人に取材を敢行してきたという経済コラムニスト、大江英樹氏の著書『定年前、しなくていい5つのこと 「定年の常識」にダマされるな!』。自身の経験に基づき、お金、仕事、夫婦、地域、趣味の5カテゴリーについて定年後のアドバイスをおくる本書の中でも、「老後に必要なのは『保険』ではなくて『現金』」と説く一節を抜粋してご紹介します。

定年後のお金について考えた場合、増やすこと以上に大切なことは「無駄を無くす」ということです。ただし、この「無駄を無くす」ということ、節約をしなさいということではありません。節約というのは必要な物でも我慢するという響きがあります。でも定年が近づいた人、定年になった人にとっては、やっとこれからやりたいことができるようになったのです。

趣味や旅行、外食といった楽しみも節約してやらないというのなら、一体何のために今まで働いてきたのでしょう。そういう人生を楽しむためのお金はあまりケチる必要はないのです。それよりも知らないうちに支出してしまっている「無駄」を無くすべきです。

「無駄」とは一体何?

では一体どういうものが無駄なのでしょうか?ちょっと身の回りを考えてみましょう。ほとんど行っていないスポーツジムや会員制クラブの会費、現役時代の習慣でなんとなくとり続けている新聞や雑誌、契約した時についているスマホのオプションプラン等々、案外気が付かないところでこうしたあまり意味の無い支出があるはずです。これらをちょっと見直すだけで最低でも月に1~3万円くらいの無駄を省くことができます。

でも実を言うと、一番無駄なものは保険です。例えば生命保険を考えてみましょう。そもそも生命保険の役割は、保険を掛けている本人が亡くなった場合、残された家族が生活に困らないようにすることです。

60歳時点でもまだ小さい子供や高校生ぐらいまでのお子さんがいればそれも必要でしょうが、既に子供さんが独立していたとしたら生命保険はほぼ不要です。仮に奥さんと年が離れていたとしても遺族年金という制度がありますから、一定の生活保障はあります。但し、不動産を中心とした巨額の資産を持っている場合の相続対策として生命保険が有効な場合はありますが、ほとんどの人にとっては60歳以降の生命保険は不要だと思います。

ところが年配の人でも割とたくさん生命保険には入っているようです。公益財団法人 生命保険文化センターというところが調べて平成30年12月に出した「生命保険に関する全国実態調査」によれば、「世帯年金払い込み保険料」(生命保険)は60歳~64歳で年間43.9万円、65歳~69歳では年間33.8万円となっています。仮に年間40万円払っている保険料を止めてそれを貯蓄に回せばどうなるでしょう。10年間で400万円、20年間であれば800万円の蓄えができます。老後に2,000万円必要という話がありましたが、保険を止めるだけでその4割はカバーできてしまうのです。

「医療保険」も本当に必要なのか?

さらに医療保険を考えてみましょう。生命保険は止めても医療保険に入っている人は結構多いと思います。でもよく考えてみてください。医療保険というのは医療費をまかなうためのものではないのです。医療費をまかなうのは公的医療保険である「健康保険」です。日本は国民皆保険ですから、サラリーマンも自営業も定年退職者も、必ずいずれかの健康保険に入ることが義務付けられています。医療費はこの健康保険から出てくるのです。

仮に自己負担が高額になったとしても「高額療養費制度」があるため、仮に月100万円の治療費がかかったとしても自己負担は9万円程度で済みます。70歳以上になれば多くの人は5万7,600円だけの自己負担で済むのです。

では民間の医療保険は一体何のためにあるのかと言えば、こうした公的な医療保険ではカバーできない部分、例えば入院したときの食費や個室で入院する場合の差額ベッド料、そして病院にタクシーで通う場合の交通費といったことをカバーするのがその役割です。

だとすれば、別に医療保険に入らなくても、一定の貯蓄があればそこから出せば良いのです。仮に毎月3千円の医療保険に入っていたとして、20年間払い込み続けるとその金額は72万円になります。もし5日入院したとして仮に1日1万円の入院給付が出たとしても5万円です。それなら保険料を払う代わりにその72万円を貯蓄しておき、そこから払えば良い話です。

現金の良いところは色が付いていないことです。保険はその目的にしか使えませんが、預金であればどんな目的にも使えます。すなわち貯めておきさえすれば使い途は後からゆっくり考えることができるというのが現金・預金のメリットなのです。

定年後は想定外の一時出費が生じることもあります。自宅のあちこちが壊れて修理したり、元気だったのが急に病気になって入院したり、そして認知症リスクも年齢と共に高まってきます。そんな時に必要なのは保険では無くて現金なのです。現役時代の生活の発想を切り替え、無駄を無くすこと、保険は特に大きな無駄ですから、本当に必要な保険以外は見直すべきでしょう。

いかがでしたか。無駄とは何か、保険はなぜ必要か--など、根本的に改めて考え直すことが、定年後のお金に対する漠然とした不安を取り除く手助けになりそうですね。「今さらながら退職したあとのこと、心配になってきた……」という方におすすめの一冊です。

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著者

大江 英樹 経済コラムニスト
大江 英樹
1級ファイナンシャルプラニング技能士、CFP®、日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員、日本FP学会会員、上級生涯生活設計コンサルタント。大手証券会社において25年間、個人の資産運用相談に携わり、2001年10月より確定拠出年金における投資教育業務に従事した後、2012年に独立。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。
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