「結局いくら貯めたらいい?」アラフォー女子のライフプラン×お金の基本
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「結局いくら貯めたらいい?」アラフォー女子のライフプラン×お金の基本

  • 公開日:2021.02.18

Editor's Eye

資産運用にまつわるお悩みにプロが回答するシリーズ。今回は、「おひとりさまの将来が不安なので貯蓄はしているけれど、今も楽しみたい!」という相談者が登場。未来のためにする貯蓄……どんな考え方や計算のもと積み立てていけばいいのかの根本を、ファイナンシャルプランナーの渡辺和子さんに解説していただきました。

【大山 恵理さん(仮名)プロフィール】
41歳、派遣社員として受付事務の仕事をしている。宮城県にて一人暮らし。つたてNISAでJ-REITに投資するファンドに積立投資をしていたものの、1年くらいでやめてしまった過去がある。なお、出身は県外だが、実家は兄夫婦が両親と暮らしているので、実家に戻るという選択肢はほぼないと考えており、持ち家も気になっている。

【寄せられたお悩み】 
「今後一生、一人かもしれないと思うと不安で仕方ありません。将来のための貯蓄も必要だと考え、毎月貯金をし、個人年金保険にも加入しています。ただ反面、今の生活も楽しみたい! という気持ちもあって、欲しいものがあるとつい買ってしまいます。適正な貯蓄割合はどれくらいなのでしょうか?
以前つみたてNISAを始めてみましたが、よく分からなくて結局やめてしまいました。私に合う資産運用、商品選びも知りたいです。
また現状は賃貸のマンションに暮らしていますが、老後も毎月賃料を払うことも不安を感じます。賃貸と持ち家――結局、どっちがよいのでしょうか」

【お悩みの論点】
①将来のための貯蓄が必要なのは分かっているものの、今の生活も楽しみたい。適正な貯蓄割合はどれくらい?
②自分に合った運用商品や仕組みは何か
③今後、ずっと“おひとりさま”かもしれない、賃貸・持ち家どちらを選んだらよいか

【資産状況】
金融資産額:300万円
内訳
預貯金:300万円

【収支】
<収入>
・毎月の手取り収入:20.8万円
・手取りの年収:249万円

<支出>
・毎月出費:約18万円(詳細以下)

家計のバランスからみると特別どこかの支出が高いということもなく、バランスが取れている印象です。現在、積立貯金2万円と個人年金保険1万円、合計3万円の貯蓄ができており、20.8万円の手取り収入からみて約14%確保できていることになります。毎月特別な支出がなければ、余剰金として2.8万円はありますから、「老後が不安でたまらない」とおっしゃる大山さんはちょっと頑張って、あと5000円先取り貯金することで、65歳までの24年間で約1000万円の貯蓄が可能となります(3.5万円×12カ月×24年=1008万円)。

1000万円が老後の生活費として足りるか足りないかは別に考えるとして、「1000万円」と一つ数字を目標設定することで漠然とした不安からは解放されると思います。まさに今を楽しみながら将来に備えるという事ですね。

40歳を越えてくると老後という将来をリアルに考えている方が多いようです。ご自身の生活設計を考えたときに、まずは現状把握です。毎年お誕生月に届く「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を利用して、将来のご自身の年金がどれくらいになるのか把握し、それに対してどう準備していくのか――あとは逆算です。働き方によっても今後作られるご自身の年金は変わってきますから、あくまでも概算になりますが、計画を立てるというということは、現状認識と逆算から始まります。

例えば、現状の概算で65歳からの生活費として年金ではあと5万円くらい足りないなと感じたなら、40歳女性の平均余命は48.11年、つまり約88歳ですから、65歳から23年間×5万円の不足をカバーしようとすると、約1400万円が必要となります。

あと400万円……さらにこの400万円とは、日々の暮らしに使うお金ですので、別途、万が一のときの医療費や葬儀費用なども考えるとすればさらに500万円*ほど見る必要もあるでしょう。つまり1900万円、さて900万円をどうしましょうと対策を立てていきます。

* 厚生労働省の平成29年度『生涯医療費』によれば、人が生まれてから亡くなるまでの医療費を10割で見積もると総額2700万円。70歳を分岐に半々といわれていますので、70歳以降の医療費は1350万円ということに。70歳からの医療の自己負担割合が2割とすると医療費で約270万、葬儀の平均的な費用は約184万ということで、ここではザックリ500万と見立てています。

①のお悩みから考えて、さすがにさらに貯蓄額を上げるのは今の生活を楽しめなくなりそうですので、約3.5万円の貯蓄のお金の預け先をどこにしたら良いか考えてみることにします。

仮に65歳までの24年間、月2万円を預金で積み立てたとすると元本576万でほぼ変わらずですが、投資信託で年4%の運用ができたと仮定すると約964万となります。残りの1.5万円はそのまま貯金すれば、432万となりますので、約1396万を積み上げることが出来ます。現在の貯蓄額が300万円ありますので、トータル1996万というところでしょうか。

必ずしもシミュレーション通りにいくわけではありませんが、合わせてどんな仕組みがベターなのか考えてみましょう。

iDeCoは所得税住民税の非課税効果がありますが、現状60歳までの積立です。また、60歳までお金を引き出すことは原則としてできません。もう少し運用期間を長く取り、かつ途中での引き出しもできるということで、以前もされていたつみたてNISAはいかがでしょうか。

以前つみたてNISAで投信積立をされていた際は投資先がJ-REITということでしたので、不動産にも興味があるのだとしたらeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を検討してみてもいいでしょう。この投資信託を購入するだけで、国内株式・債券、先進国株式・債券、新興国株式・債券、国内REIT、先進国REITの8つの資産に分散投資が行えます。

大山さんは現在一人暮らしで、ご実家は他県にあり、お兄様ご夫妻がご両親と同居ということですので、ご実家に戻る選択肢はないようですから、悩ましいですが、地域性を考えても、住宅購入も検討されてもよいのではないでしょうか。将来を見据えて、利便性と適正価格を考慮しなければいけませんが、30年の住宅ローンを組んだとして、完済年齢71歳ですから今は考え時かもしれません。

もし賃貸のまま暮らしていくとすると、高齢者の賃貸入居については、健康面の心配、金銭的な心配が伴いますので、入居を断られるケースもあります。連帯保証など、ご家族の協力が必要となりますが、どなたにお願いするのかということも視野に入れていかないといけません。

***

「不安!」というお気持ちも分かりますが、まず65歳からの公的年金を概算でもよいので、いくらになるか把握し、その上で生活設計していくことが大切です。ライフプランニング、それに伴った資産運用プランは必須です。どうにかなるという気合だけではどうにもなりません。

ここでは5万円や500万円など、一般的な数値を交えて解説しましたが、ご自身の理想とするライフプランニングを描くことで、現状の問題点を可視化すると対策が取れます。

資金がショートするのであれば、働き方を変えてみるという方法もあります。今、派遣社員としてお勤めということですが、得意な分野を伸ばしてキャリアアップされるなど、時間は有限ですから機会損失にならないようじっくり考えてみてください。


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著者

渡辺 和子 ファイナンシャルプランナー
渡辺 和子
AFP、公的年金アドバイザー。損害保険会社勤務を経て、Miriz専務取締役に。公的・民間両方の視点での保険アドバイス、さらには住宅資金相談や相続、老後資産形成までライフプランに合わせた総合的なコンサルティングを行っている。セミナーでの講演やWEBメディアへの執筆活動も。

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