新潟・燕三条発 経営者の課題に20年以上応え続ける金融アドバイザー FPM

新潟・燕三条発 経営者の課題に20年以上応え続ける金融アドバイザー FPM

  • 公開日:2021.03.11

Editor's Eye

中立的な立場から金融商品の提案・アドバイスを行う存在として注目が高まる資産アドバイザー、IFA(Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザー)。新潟・燕三条で20年以上金融アドバイスを提供し続けるIFA法人がエフピーエム(FPM)だ。潤沢な顧客を抱える都市部でなく、長年地元にこだわってきたというFPM。代表を務める嘉瀬一洋氏に、同社の運営方針を自身の経歴も交えて語ってもらった。

 FPMは、顧客は全て県内という新潟・燕三条の地元密着型IFAだ。1996年、現在同社の会長を務める小林幹扶(みきお)氏が損保の代理店として設立。1998年に参画した現在の社長、嘉瀬一洋氏の提案により、生命保険や投資信託を扱うようになった。

新潟・燕三条にあるFPM本社。このほか、新潟市内に新潟支店を構え、県内2拠点で運営する

「2歳のときに亡くなった父は、三条証券(現在は廃業)という地場証券のオーナーをしていました。燕三条は『人口当たりの社長の数が一番多い町』と言われるほど起業家の多い町で、コメリ(ホームセンター)やスノーピーク(登山用品)といった全国区の企業の創業地でもあります。この三条で家業を継ぎ、『金融機関として地元に貢献するんだ』という気持ちは早いうちから持っていました」と語る嘉瀬氏。新卒では第一証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社、「都会の証券営業」をひと通り経験したという。

勉強のつもりで証券業界に飛び込んだものの、短期での上昇を狙ったいわゆる回転売買をベースとした営業スタイルに「これでは顧客が疲弊する。地元で同じことはできない」と感じ、5年ほどで帰郷。三条証券に入社したが、地元三条でも同様の販売手法が横行している様子に愕然とした。

「信用が命の地場証券では持続可能な販売方法を取るべきだ、と経営を引き継いだ親族を説得したのですが……力及ばず、自分が折れる格好となりました」。1990年代後半といえば、1999年10月の株式売買委託手数料完全自由化を前に、証券業界における手数料低廉化やネット取引化の動きが出始めたころ。そんな中にあって、脱・回転売買という嘉瀬氏の考えは理想的であっても実践は難しく、周囲の人間も簡単には受け入れられなかったのだろう。

エフピーエム 代表取締役社長 嘉瀬一洋氏

継ぐつもりだった三条証券を去ることになったものの、「地場の金融機関としての地域貢献」を諦められなかった嘉瀬氏は、当時のFPM社長だった小林氏に相談を持ちかけた。小林氏は父親の生前、三条証券を担当する税理士事務所に勤務しており、同年代だったこともあって父親と親しい仲だったという。「心機一転、実力主義で戦えるメリルリンチ日本証券(現BofA証券)やプルデンシャル生命あたりに転職しようとも考えていたんです。FPMに入社したのは、私の話を聞いた小林が『扱いは生保が中心になるが、地場の金融機関への想いがあるなら、自分のところで腕を磨いてみては』と誘ってくれた縁でした」。

FPMが証券仲介業(現在の金融商品仲介業)を始めたのは2004年。IFAビジネス歴は実に16年以上に及ぶが、投資信託の取り扱いはさらにその4年前、2000年から始めていたという。

きっかけは、当時FPMの主要取引先だったアイエヌジー生命保険(現エヌエヌ生命保険)による代理店セミナーだった。一定以上の知識を持った販売員だけが参加できるセミナーで、証券畑だった嘉瀬氏は足繁く参加した。資産のアドバイスでは保障だけでなく資産形成にも話が及ぶはず。であれば、保険だけでなく投信等も含めて提案すべきといった内容で、当時先進的だったアロケーションといった概念も交えて説く講義だったという。

「他社預りの保有資産に関する相談にも応えたいと考えていたところに、アイエヌジー生命で投資信託も扱っていると聞き、導入を決めました」。アイエヌジー投信(現NN インベストメント・パートナーズ)に限らず、系列外の商品も扱う公平な姿勢に共感したこともあり、2001年3月に取り扱い開始に踏み切ったが、アイエヌジーでの投信取り扱いは数年で終了。その受け皿として、2004年に日興証券(現SMBC日興証券)で登録して開始したのが証券仲介業だった。

現在も生損保数社において関東甲信越地方での取扱高トップクラスを誇るというFPMだが、当時すでに生損保の取扱高で存在感を発揮していたという。なぜ保険に注力せず、投信も扱うことにしたのか。その答えは、やはり「地元金融機関としての地域貢献」にあった。

経営者の多い三条市で営業するFPMの顧客は、半数以上を法人が占める。一般的には市町村に1つ程度あるロータリークラブやライオンズクラブが、三条市には4つずつあり、市内の経営者層のつながりは非常に強い。「信頼が第一」と言うのは簡単だが、悪い噂は一日で広まる。信頼維持のためにやれることは、結局は良い提案をし続けることしかないと嘉瀬氏は断言する。「保険だけでは、『良い提案』に限界があったのです」。

株や投信の手数料が数パーセントだとすると、100万円分売って手に入るのは数万円。一方保険はというと、当時「100万円売ると30、40万円も利益が出た」という。「こんなに儲かる商品はおかしいはずなんです。しかし、どの金融機関もそうした疑問を持たずに売っていた。ならば逆に、どこも実践していない、お客さまに良いソリューションだけを提供しよう、そうすれば、他の金融機関に奪われる心配はない。そのために、保険にこだわらない品ぞろえをするようになりました」。

こうして、SBI証券、楽天証券、ニュース証券、あかつき証券と、扱う商品と登録証券会社を増やしていった。現在の主な登録証券会社は楽天証券。ニュース証券、あかつき証券の口座は、法人向け商品を扱う際に活用している。証券会社での預り金額は、全社合わせて30億円ほどだという。

***

「顧客にとってのベストを提供する」ことを決意し、保険だけでなく証券会社の商品を扱うようになったFPMはその後、投資信託や企業型DC(確定拠出年金)導入など、さまざまなソリューションで顧客の課題を解決するようになる。後編「『日本一社長の多い町』燕三条で地域密着を貫く独立系アドバイザー FPM」では、その詳細について嘉瀬氏に聞く。

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Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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