2021年2月15日、日経平均株価は30年半ぶりの3万円台を回復した。改善した企業業績が反映され、日経平均採用銘柄の収益力を判断する予想EPSも直近で1267円と、昨年末比で2割弱増加した。株価の上昇に伴ってEPSの値も増加したことで、今期予想ベースのPERは23.3倍(12日算出時点)に。2020年11月9日以来、約3カ月ぶりの水準となり割高感は若干、和らいだようにみえる。

EPSは企業の収益力を指す指標

あらためて確認しておくと、EPSとは株主が保有する1株あたりに対し、その企業が1年間でどれだけの利益をあげたかを示す指標だ。一般的には値が大きいほど収益力が高く、優良な企業と判断することができる。算出方法は以下の通りだ。

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

当期純利益とは、年度中に得たすべての収益から法人税や住民税などを差し引いた経営活動における純粋な利益を指す。

例えば1000万株を発行している企業が1億円の当期純利益を上げたとすると、

1億円 ÷ 1000万株 = 10円/1株

と1株あたり10円の利益を上げたこととなり、EPSは10円となる。

投資において、EPSは単純な値の大小だけでなく、その推移も重視される。株価の算出には「EPS×PER」の計算式が用いられることがあるが、この式からはEPSが上がれば株価も値上がりすると考えられる。EPSが前期、前々期と比較して上昇傾向にあれば、将来的な値上がり益も期待できるのだ。