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【2021年4月号】全体・株式型 1カ月リターンランキングトップ10ファンド

  • 公開日:2021.05.10

Editor's Eye

市場や業界の動向を踏まえ、投資信託評価会社等が毎月公表するランキングデータについて、トップファンドの概要やポイントを解説する記事シリーズ「Finaseeファンドランキング(FFR)」。本記事では、評価会社三菱アセット・ブレインズが毎月リリースする「MABアナリスト・アイ 投信マーケットの動き」から、2021年3月の投資信託全体・国内外の株式型カテゴリーにおける直近1カ月の騰落率(とうらくりつ)トップ10のファンドを見ていきます(データ提供:三菱アセット・ブレインズ)。

3月の投資信託全体の騰落率1位は米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)の12.63%だった。

同ファンドは、米国におけるインフラに関わる企業の株式に投資する。3月31日時点の業種別構成銘柄は、以下の通りである。

1.機械 27.2%
2.陸運・鉄道 12.3%
3.電気設備 11.5%
4.商社・流通業 9.5%
5.建設・土木 9.4%

3月の米国株式は上昇した。米国の代表的な株価指数であるNYダウの月間上昇率は6.6%と、昨年11月の11.8%以来の大きさとなった。また、バイデン政権が8年間で2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ投資計画を発表したことも、同ファンドの追い風になった。さらに、米10年利回りが1.7%台に上昇したことから、ドル高・円安が進んだことも、好調なパフォーマンスの要因となっている。

バイデン政権が発表した大規模なインフラ投資計画は、同ファンドの対象銘柄であるインフラ関連企業の業績を長期で押し上げる可能性が高い。ただ、純資産総額が80億円のファンドで、過去6カ月は約15億円の資金流出となっている。4月は資金流入になるかどうかに注目だ。

3月のリターンランキングでは、米国高配当株式ファンドを中心に、米国株式ファンドが多い。3月はバリュー株、とくに配当利回りの高い銘柄が物色されたことに加え、ドル高・円安が進んだことがプラスになった。

ただ、これまでグロース株(成長株)優位の展開だったので、バリュー株ファンドからの資金流注が続いている。たとえば、3月リターン3位の「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族は23.95億円、4位の米国株式配当貴族(年4回決算型)は19.26億円(いずれも過去6カ月)の資金が流出しているのだ。

3月はバリュー株のパフォーマンスがグロース株よりも優れていた。4月はバリュー株ファンドから資金流出が止まるかどうかに注目している。

国内株式型の3月のリターントップは「日本株厳選ファンド・米ドルコース」の11.52%だった。

国内の株式の中から割安と判断される銘柄に投資するファンドで、3月末時点の組入銘柄上位は以下の通り。

1.三菱ケミカルホールディングス(4188) 6.1%
2.武田薬品工業(4502)5.6%
3.本田技研工業(7267)5.6%
4.三菱商事(8058)5.5%
5.KDDI(9433)5.4%

3月は日本でもバリュー株に見直し買いが入り、同ファンドのパフォーマンスを押し上げた。また、米国の景気回復期待から米長期金利が上昇し、円安・ドル高が進んだことも追い風になっている。

国内株式型全体を見ると、高配当ファンドが上位にランクインしている。3月はグロース株よりバリュー株優位の展開になり、割安株を見直す動きが強まったからだ。また、3月の資産別リターンでは国内株式が5.1%のリターンとなり、外国株式の4.1%を上回った。しかし、上位10ファンドのうち9つのファンドが資金流出となっている。外国株式型の人気は依然として高く、国内株式型(とくにアクティブファンド)からの資金流出が続いているのだ。

個人投資家は、国内株から外国株へ資金をシフトさせている。2020年度の日経平均の上昇率は54%とNYダウの50%を上回っている。しかし、2020年度は外国株で運用する投資信託に4兆7,000億円の資金が流入したが、日本株に投資する投資信託からは1兆4,000億円が流出した。

国内株式型ファンドを売って外国株式型ファンドを買うという流れは続いており、日本株のパフォーマンスが良くても、国内株式型ファンドは売り優勢の展開がしばらく続きそうだ。

外国株式リターン首位は「米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)」だった。同ファンドは、投資信託全体でも1位となっている。株式市場ではグロース株優位の流れが変わり、バリュー株を見直す動きが強まったことが上昇の要因だ。

ただ、外国株式型ではグロース株ファンドに資金がまっている傾向に変わりはない。4月以降、バリュー株ファンドに資金が流入するかどうかに注目している。

また、バリュー株優位の流れから、3月のリターン2位の野村インデックスファンド・米国株式配当貴族と、3位の米国株式配当貴族(年4回決算型)は、配当貴族に投資するファンドになっている。いずれも野村アセットマネジメントが運用しており、米国のS&P500 配当貴族指数(配当込み・円換算ベース)に連動することを目指すファンドだ。

S&P500配当貴族指数は、S&P500種株価指数のうち25年以上連続して増配している株式を対象にした指数である。バリュー株優位の環境が続けば、4月以降も配当に注目した買いが期待できる。ただ、バリュー株ファンドは資金流出が続いている。好調なパフォーマンスを背景に、4月以降は資金流入超になるかに注目している。

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Finasee編集部
金融事情・現場に精通するスタッフ陣が、目に見えない「金融」を見える化し、わかりやすく伝える記事を発信します。

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