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6月21日は俳優・勝 新太郎の命日、夏の到来を告げる夏至の日
- 公開日:2021.06.21
Editor's Eye
6月21日はどんな日で、過去にどんな出来事があった? どんな記念日が制定されている? 金融系のライターが、独断と偏見でお金にまつわる「今日」のトピックをセレクトし、その “トリビア”をお届けするシリーズ企画「マネー・トリビア『今日は何の日?』」。会話のきっかけに、ビジネスの場でのアイスブレイクに、つい話してみたくなる豆知識をご紹介します。
映画界の盛衰とともにあった、名優・勝 新太郎の人生
俳優・勝 新太郎は1997年6月21日、咽頭癌のために亡くなりました。享年65歳。
勝 新太郎は詳しく知らないけれど、中村玉緒は今もテレビで見ているから知っている、という人が多いかもしれません。
勝 新太郎は、昭和の映画史に大きな功績を残した俳優であり、女優・中村玉緒の夫。また、14億円とも言われる借金を遺したことでも有名です。中村玉緒は彼の借金を返済すべく、テレビで活躍せざるを得なかったのかもしれません。
今回は、この稀代の名優の人となりについて深堀りしてみましょう。
勝は長唄と三味線の杵屋勝東治の次男として東京・深川で育ちました。兄は同じく俳優の若山富三郎。若山富三郎は『子連れ狼シリーズ』で有名です。
そんな伝統的な芸能の世界で育った勝ですが、映画俳優を志し、1954年大映で23歳の時にデビューしました。最初はなかなか人気が出ませんでしたが、『座頭市物語』『兵隊やくざ』で爆発的な人気を得て、一躍大スターになっていきました。1960年代は、市川雷蔵とともに看板役者として大映を支えました。また、永田ラッパ※で有名な永田雅一大映社長のお気に入りの俳優でした。
※…大言壮語な語り口からつけられたあだ名
しかし、娯楽の王座は、映画からテレビへと移り、映画産業の不況時代が始まります。
勝は1967年に勝プロダクションを設立し、三船プロ、石原プロと並び映画スターによる独立プロとして活動をし始めました。石原プロには『太陽にほえろ!』や『西部警察』などテレビでの長寿番組があり、それが成功の秘訣でした。勝も映画『燃えつきた地図』『人斬り』『顔役』、さらに『座頭市』をテレビドラマシリーズとして制作するなど、精力的に活動しました。しかし、やがて陰りが見え始めます。
1979年、黒澤 明監督の「影武者」に抜擢されるものの、勝は監督と衝突して降板。また、勝の派手な豪遊と、採算度外視の制作費で膨大な赤字を抱え、勝プロダクションは1981年に倒産、さらに薬物所持関連で事件を起こすなど、スキャンダルの続く厳しい晩年となりました。
多くの“普通の人”は、大過なく生活をしていたいので、このようなタイプの人にどこか惹かれてしまうもの。勝もまさにそういう“カッコいい人”であり、演技だけでなく、その生きざまも含めて多くの人を魅了しました。しかし、晩年の彼の人生を見ると、“自分の人生を劇場化してしまった男”だったとも言えるかもしれません。
なお、1997年6月24日に執り行われた築地本願寺の葬儀では1万人以上の人が、その死を悼みました。また、キネマ旬報創刊95周年「日本映画男優・女優 オールタイム・ベスト10 」(2014年)では男優部門で第4位に輝き、勝の存在感は映画史に燦然と輝いています。
「1年でもっとも日の出が早い」は間違い! 夏至の定義を説明できますか?
6月21日は、二十四節気の一つで、夏の到来を意味する「夏至」の日でもあります。この夏至についても深掘りしてみましょう。
夏至は太陽が最も北に寄る日で、南中高度が高くなり、北半球では昼間が一年中で一番長くなる日です。北緯66.6度より北の北極圏では太陽が沈まずに白夜となります。
天気の良い地域の人は、今日の朝日がかなり北に近い方向から上がってきたのを見たかもしれませんね。
一年で太陽が上がる場所がこんなに違うのか? と驚くほど日の出の場所は移動するものです。ただし、夏至の日に日の出時間がもっとも早くなるわけではないのです。
日本では、一年のうちで日の出が一番早い日は夏至の一週間ほど前であり、日の入りが一番遅い日は夏至の一週間ほど後になります。夏はこれから本番を迎えるのに、実はだんだん日が短くなっているなんて少し寂しいですね。
夏至の日の昼間の時間は、北に行けば行くほど長くなります。北海道は沖縄よりずっと長くなり、札幌では15時間23分も昼間があります。
反対に冬至の頃は、札幌の昼間は9時間しかありません。4時間以上、昼間の長さが違うなんてあらためて数字で見ると驚きですね。
夏至の日にちなんで、「冷蔵庫の日」でもある!
夏至の日は冷蔵庫がもっとも活躍する夏への節目であることにちなんで、日本電機工業会が6月21日を「冷蔵庫の日」としています。日本電機工業会では夏前に冷蔵庫を買う人のために、買う前のセルフチェックや省エネが叶う上手な使い方の案内もしています。
冷蔵庫は比較的長持ちする家電ですので、引越しなどのついでに買い換える人が多いのでしょうが、最近は省エネにとどまらず、スマホ連携やAI技術の搭載、鮮度を保つための冷凍技術など機能や値段もさまざま。
久しぶりに冷蔵庫を新調しようと調べた人は、その進化にきっと驚くことでしょう。このコロナ禍の巣ごもり需要で“白物家電”の売れ行きも好調だそうです。
ライフスタイルに合わせて賢く選び、よく冷やしたスイカやお酒など夏の美味を楽しみたいですね。
執筆/淡路 宏
テレビ番組の企画など、テレビ業界で長年キャリアを築く。最近は、投資信託やマネー関連のライターとして活躍。また、自身も株や投資信託に投資する個人投資家の一面も。