投資信託の中には、運用会社の直販(直接販売)限定で提供されているファンドがあります。選択眼を持った投資家にもファンが多い直販限定ファンドのファンドマネジャーとはどんな人で、どんな投資哲学を持っているのでしょうか? いま気になるファンドマネジャーにインタビューしてみました。今回話を伺うのは、「アクティブ元年・日本株ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)を担当する古賀直樹ファンドマネージャーです。

同ファンドは三井住友DSアセットマネジメントの投信直販ネットでだけ購入できる専用商品で2021年6月末現在の過去1年の基準価額の騰落率は+41.9%と好成績をあげています(月次レポート)。

この人に聞きました
古賀直樹
古賀 直樹 三井住友DSアセットマネジメント 運用部 シニアファンドマネージャー

1997年に千代田生命保険(現:ジブラルタ生命保険)に新卒入社し、翌年から国内株式運用業務に従事。その後、2001年3月にトヨタアセットマネジメント(現:三井住友DSアセットマネジメント)に入社。徹底したリサーチに基づく銘柄選択手法に磨きをかけ、機関投資家向けファンドの実績に貢献。「アクティブ元年・日本株ファンド」では月次レポートや運用報告動画などで積極的な情報開示を行い、個人投資家向けのセミナーではアクティブファンドの魅力を伝えている。「ファンドマネージャーとしての仕事はお客さまに支えられて存在している」ということを信条とし、常にプロとしての責任感を心に刻みながら、日々企業取材・リサーチに奔走している。

20年以上にわたる運用キャリアのスタートは

――最初に古賀さんのご経歴を教えてください。

1997年に千代田生命保険(現ジブラルタ生命保険)に入社し、国内株式運用業務に従事しました。2001年3月にトヨタアセットマネジメント(現三井住友DSアセットマネジメント)に転職し、2013年に同社が三井住友DSアセットマネジメントへ吸収合併となってから、中小型株運用チームに参加しました。「アクティブ元年・日本株ファンド」では、2019年の設定時から主担当のファンドマネジャーを務めています。

「預けていいんだね?」― 原点は投資家の声 ファンドマネジャーの投資哲学に迫る

古賀直樹氏

――古賀さんはもともと、ファンドマネジャーになりたいというご希望があったのですか?

全くなかったです。学生時代は、就職するなら自分の力で何かモノを作ることをしたいと漠然と考えていましたが、文系なのでどう社会に関わっていくのかなかなかイメージできませんでした。ファンドマネジャーという仕事を知ったきっかけは就職活動。自分の判断でお金を動かし、運用の成果を出すというところに、ものづくりに近いものを感じて興味を惹かれ、やってみたいという気持ちが強くなりました。

――実際に運用の仕事に就かれてみて、いかがでしたか?

面白かったですね。何も分からないので、見ること、聞くことが全て新鮮で刺激的。少しずつ、身になっていることも感じながら、自分で運用できる日を心待ちにしていました。

運用部に配属となった初日、まだ右も左も分からないのに、いきなり1銘柄の売却を任されたのが、私の運用人生のスタートです。そこからアナリスト業務やトレーディング業務など、先輩の背中を見ながら一つ一つ勉強させてもらいました。