ETFのデメリットは?実はデメリットを防ぐ方法あり!?

  • 公開日:2020.04.22
ETFのデメリットは?実はデメリットを防ぐ方法あり!?

今回教えてくれる先生

頼藤 太希 マネーコンサルタント
頼藤 太希
2015年にMoney&Youを創業、代表取締役に就任し現職。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。著書に「投資信託 勝ちたいならこの7本!」(河出書房新社)などがある。

投資初心者向けの商品として多くのメリットを持つETFですが、もちろんデメリットがあることも忘れてはいけません。ETFのデメリットとは何か? ETFを始めようと思っている方はぜひ確認してください。

まなぶくんまなぶ
くん
先生、ETFは株と投資信託の美味しいとこどりなんだよね? じゃあ投資がはじめての人はみんなETFを買えばいいじゃん

先生頼藤先生確かに、市場がまるごと買えたり、コストが低かったりするから、初心者向けのメリットは多いね。でも、デメリットもあるんだよ

まなぶくんまなぶ
くん
ええ~、そうなんだ……(泣)

先生頼藤先生まあまあ、デメリットといっても、それを防ぐ方法はちゃんとあるから安心して

ETFのデメリットを1つずつ解説していきたいと思います。といっても、デメリットの中に隠れたメリットも発見しましたので、そちらもご紹介しましょう。

投資信託と同じように日本市場全体の株に投資できたり、株と同じようにリアルタイムで売買できたりするETF。両者の特徴をあわせ持つ部分は大きな魅力ですが、品数の薄さはデメリットといえるかもしれません。

国内で販売されている投資信託は約6000本、国内株は約3700銘柄あるわけですが、ETFは220本程度。品数の多さでは、両者に圧倒的に劣ってしまいます。

ただ、ETFは国内や外国の株や債券だけでなく、不動産や金(きん)、原油など、幅広い商品に投資できます。品数は少なくても、投資できる商品の種類は幅広く、選ぶのに少なすぎて困ることはないのでは?

また、見方を変えてみると、「商品数が厳選されている」ともいえます。「多すぎて選べない……」という人にとっては、ちょうどいい本数かもしれませんね。

投資できる商品の種類は幅広い、商品を選びやすい

ETFは投資信託のように保有中にコストがかかるだけでなく、株と同じように売買時にも手数料が発生します。売買金額によって異なりますが、1回の注文につき数十円~数千円以上かかることも……。

しかし売買時に発生する手数料は、ネット証券を選べば、最低数十円台からと大きくコストを抑えられます。

それに、売買手数料を無料にしているETF(フリーETF)を取り扱うネット証券もあります。例えばSBI証券では国内ETFに限られますが、全部で104本の商品が売買手数料無料で提供されています(2020年3月末時点)。

主なネット証券における販売手数料無料ETFの本数(2020年3月末時点)
SBI証券 楽天証券 auカブコム証券
銘柄数 104 102 100

このようにETFの売買時の手数料を抑えるためには、ネット証券で売買することがカギになるといえるでしょう。

低コストのネット証券を使う

投資信託では初回に金額を設定すれば、基本的には毎月自動で購入を行ってくれる「自動積立」が利用できます。しかしETFに関しては、ほとんどの証券会社では自動積立ができるサービスを提供していないのが現状です。

店舗型の証券会社によっては、対象銘柄が限定されていますが、るいとう(株式累積投資)を利用することで、ETFを自動積立できることもあります。

るいとうとは、投資信託の自動積立と同様に、毎月一定の金額で株を買い続ける投資方法のこと。多くの場合、1銘柄の最低購入金額は1万円以上で、1000円単位から自由に金額を設定できます。

ただし、るいとうは売買手数料とは別に、口座管理料が年間数千円程度発生することがあります。さらに利用できる証券会社が限定的で、ネット証券以外のため、売買手数料も高額になってしまう可能性が高いのです。るいとうを利用してETFで自動積立をしようと思ったら、予想以上に手数料の負担が増えそうですね……。

そこでネット証券であれば、限定的ですが、マネックス証券の「ETF自動積立サービス」などを利用することで、自動積立が可能です。

自分で積立を行う、ネット証券のサービスやるいとうを利用する

上場廃止と聞くと、恐ろしいイメージがあります。でも、投資信託の「繰上償還」と同じ意味だと考えて問題ありません。繰上償還? 聞き慣れない言葉が出てきましたが、ようは投資信託の運用が終了してしまうこと。繰上償還した商品は売買できなくなり、商品自体がなくなってしまうのです。

ETFも同じで、規模の大きさを示す「純資産総額」が小さかったり、減り続けたりしていると上場廃止となり、運用が途中で止まってしまう可能性があります。

でも、考えてみてください。純資産総額が少なくなるなど、運用が止まってしまう条件がわかっているのであれば、その条件に当てはまる可能性の低い商品を選べばいいだけのこと。つまり、純資産総額が大きいETFを選べば、安心して投資できますよね。

同じ指数への連動を目指すETFが複数あったときには、その中でより純資産総額が大きいものを選びましょう。

純資産総額が大きい銘柄を選ぶ

国内上場ETF・純資産総額上位10位
順位 商品名 運用会社 純資産総額(円)
1位 SPDR S&P500 ETF ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・トラスト・カンパニー 25兆7873億
2位 TOPIX連動型上場投資信託 野村アセットマネジメント 9兆5821億
3位 SPDRゴールド・シェア ワールド・ゴールド・トラスト・サービシズ・エルエルシー 5兆4421億
4位 日経225連動型上場投資信託 野村アセットマネジメント 5兆3391億
5位 ダイワ 上場投信-トピックス 大和アセットマネジメント 4兆4961億
6位 上場インデックスファンドTOPIX 「愛称:上場TOPIX」 日興アセットマネジメント 4兆3183億
7位 上場インデックスファンド225 「愛称:上場225」 日興アセットマネジメント 2兆5099億
8位 ダイワ 上場投信-日経225 大和アセットマネジメント 2兆4573億
9位 MAXIS トピックス上場投信 三菱UFJ国際投信 1兆2719億
10位 MAXIS 日経225上場投信 三菱UFJ国際投信 1兆2364億
  • ※純資産総額は2020年3月31日時点の数値。

税制優遇制度として人気のあるイデコ(iDeCo/個人型確定拠出年金)とNISA(ニーサ/少額非課税投資制度)ですが、どの制度が使えるのでしょうか?

まずイデコは対象商品が投資信託、保険、定期預金に限られており、ETFの利用はできません。イデコと並んで人気のある非課税制度のつみたて(積立)NISAも、利用対象となっているETFはたったの7本(2020年4月1日時点)。取り扱っている金融機関は大和証券のみと買える証券会社が限られており、あまり実用的ではありません。

一方で積立投資はできませんが、一般NISAなら、ETFも利用対象です。ETFの購入を検討している人は、あわせて一般NISAの口座も開設しちゃいましょう!

一般NISAで非課税制度を利用する

ETFの価格は市場における売り買いの需給で決まるため、売買量が少ない銘柄だと、仮に自分が売りたいと思っても、相手(買い手)が少ないので、希望する価格で取引が成立しないこともあります。

これを防ぐためには、同じ指数に連動する商品であっても、出来高や売買代金が大きいものを選びたいところ。つまり、取引が活発に行われている商品ということですね。

さらにETFでは、「マーケットメイク方式」の導入によって、流動性が担保されている銘柄もあります。

またまた聞き慣れない言葉ですが、マーケットメイク方式とは、意図的に売買を活性化させる仕組みのこと。マーケットメイカーと呼ばれる専門の会社が一般の投資家に代わって注文を出し続けることで流動性を高めています。

マーケットメイク方式

この仕組みによって、個人の投資家は望むタイミング、かつ適正な価格で取引できるようになるんです。

希望する価格で売買したいのであれば、マーケットメイク方式の対象銘柄から選ぶのも賢い方法といえそうですね。

マーケットメイク方式の対象銘柄から選ぶ

投資信託は、購入の申し込みをした後、基準価額という1日1回算出される値で買い付けを行います。

しかしETFの場合、株と同様に価格は常に動くので、いつ買うかは自分で判断して決めなければなりません。

取引可能な時間帯であればいつでも売買できることはメリットになる一方で、売買のタイミングがわからない人にとってはデメリットにもなるのではないでしょうか。

売買のタイミングを自分で決めたい人に向いている

まなぶくんまなぶ
くん
ETFは自動積立できるケースが少ないんだね。毎月ちょっとずつ積み立てていこうと思ったら、自分でその都度購入しなきゃいけないのか……。ちょっと面倒かも

先生頼藤先生そうなんだよね。だから、継続して毎月少額ずつ投資を行っていきたいという人は、投資信託を選んだほうがいいかもしれないね

ここまでを振り返って、デメリットも理解した上で、「私はETFを購入してもいいのかな……」と迷う人もいるかもしれません。ではETF投資に向いていない人ってどんな人なのでしょう? 以下の2つのタイプに当てはまる人は、ETFをあまりおすすめできないかもしれません。

ETFは株よりも購入金額が低いといっても、最低100円から始められる投資信託よりは高い傾向にあります。自動積立できるケースも少ないため、毎月コツコツと投資をしたいと思っても、自分でその都度購入する必要があるなど、何かと面倒。「一度購入金額を設定したら、後はほったらかし!」というわけにはいかないため、こういった人は投資信託を購入したほうが良さそうですね。

これは先ほどデメリット⑤でも紹介したことですが、イデコやつみたてNISA(積立NISA)の節税効果を得たいという人は、ETFは必然的に利用対象外となります。

もちろん前述した通り、税制優遇制度をまったく利用できないというわけではなく、一般NISAであればETFを購入できます。

ETF投資に不向きな「2つのタイプ」

それでは逆に、ETF投資に向いている人ってどんな人なのでしょう? 以下の2つのタイプに当てはまる人は、ETF投資をおすすめできます。

投資信託とは違って、ETFは株と同様、市場の取引時間中であれば売買のタイミングを自分自身で決められます。買いたい価格・売りたい価格、売買したい数や金額を決めて、取引をすることが可能なのです。積極的な投資を行いたいという人にETFはおすすめといえます。

株式投資の場合、その企業(株)の状況に応じて、株価が大きく上がることもあれば、逆に大きく下がることもあります。

一方ETFの場合、日本や世界にある株式などの「市場」全体がまるごと買えちゃいます。ETFに投資することで、さまざまな銘柄に分散投資しているのと同じ効果が得られるので、価格変動のリスクを分散することもできるのです。

また、ETFは投資信託と比べて保有中にかかるコストが低い傾向にあるので、長期でお金を増やしたいと考えている人に向いているといえます。

ETF投資に向いている「2つのタイプ」

先生頼藤先生どうかな、まなぶくん、ETFのデメリットは理解できたかな?

まなぶくんまなぶ
くん
うん! デメリットを防ぐ方法もちゃんとあるんだね。でも、買ったり売ったりするときのタイミングを自分で決めるのはやっぱり難しそう……

先生頼藤先生確かにそうなんだけど、長期で商品を保有することが前提なら、そこまでタイミングは意識しなくてもいいと思ってるよ。物は試し、まずはETF投資を体験してみてはいかが?

まなぶくんまなぶ
くん
なるほどね! ぼくはすぐに売ったりする気はないから、それならETFを買ってみてもいいかも!

この記事の3つのポイント

  1. ETFは投資信託と比べて自動積立できないケースが多い
  2. ETFだと売買タイミングを自分で決める必要があるので、投資信託と比べると若干難易度が高い
  3. ETFはイデコの利用不可、つみたてNISAも利用できないケースがほとんどだが、一般NISAでは購入できる

記事構成・執筆:吉田 祐基(ペロンパワークス・プロダクション)

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