50代からのイデコ(iDeCo)の始め方【節税額が累計50万円のケースも!】

  • 公開日:2020.03.11
50代からのイデコ(iDeCo)の始め方【節税額が累計50万円のケースも!】

今回教えてくれる先生

小沢 美奈子 ファイナンシャルプランナー
小沢 美奈子
K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社や独立系FP事務所等を経て独立。記事の執筆、セミナー講師、家計相談を行う。趣味はカメラ。

50代でイデコ(iDeCo)を始めるなんてもう遅すぎる……なんて思ってませんか? じつは累計の節税額が50万円以上も得られるケースもあるんです! 50代からのイデコの始め方、お教えしましょう。

まなぶくんまなぶ
くん
ねぇ先生。イデコ(iDeCo)って何歳までなら加入できるの?

先生小沢先生イデコに加入できるのは60歳未満までだよ。それがどうかしたの?

まなぶくんまなぶ
くん
もし60歳未満までしか加入できないとしたら、50代からイデコを始めるのはもう遅すぎるのかなぁ、なんてふと思ったりしたんだ……

先生小沢先生そんなことはないよ! 例えば50歳の会社員がイデコに加入すれば、資産も増やすチャンスがあるし、累計で50万円もの節税額が得られる可能性があるんだ!

イデコ(iDeCo)に加入できる年齢は、60歳未満までとなっています。そのことから「50代からイデコを始めても遅いのでは……?」と思う人も少なくないかもしれません。

しかしそんなことはありません! 加入期間が短くなる50代からイデコを始めても、決して遅くはないのです。具体的にご紹介していきましょう。

イデコ最大のメリットは、「掛け金の全額が所得控除され、大きな節税効果が受けられること」です。これは50代からイデコを始めても同じ効果が得られます。

しかも50代と言えば、給料もピークのはず。給料が多ければ多いほど節税額も増えるわけですから、毎年の節税額もピークだとも言えます。

ではどれくらい節税効果があるのか、具体例を見てみましょう。

パターン1

50歳の会社員(年収700万円)がイデコに加入し、月2万3000円ずつ60歳まで積み立てた場合
→60歳までの累計で82万8000円もの節税額が得られます!

パターン2

55歳の会社員(年収700万円)がイデコに加入し、月2万3000円ずつ60歳まで積み立てた場合
→60歳までの累計で41万4000円もの節税額が得られます!

60歳までの累計の節税額

下記の表は、月2万3000円を60歳まで積み立てた場合にどれだけの節税額があるのか、早見表にしたものです。

下の表を一目見てわかるのは、イデコは始める年齢が早ければ早いほど、当然、節税額の累計も増えるということ。50代はイデコで節税できる最後のチャンスと言えるでしょう。

<早見表>50代でイデコに加入した場合の累計節税額(掛け金が月2万3000円の場合)
開始年齢 イデコを始めた年齢
50歳 51歳 52歳 53歳
300万円
400万円
41万4000円 37万2600円 33万1200円 28万9800円
500万円
600万円
55万2000円 49万6800円 44万1600円 38万6400円
700万円
800万円
900万円
1000万円
82万8000円 74万5200円 66万2400円 57万9600円
開始年齢 イデコを始めた年齢
54歳 55歳 56歳 57歳
300万円
400万円
24万8400円 20万7000円 16万5600円 12万4200円
500万円
600万円
33万1200円 27万6000円 22万800円 16万5600円
700万円
800万円
900万円
1000万円
49万6800円 41万4000円 33万1200円 24万8400円
開始年齢 イデコを始めた年齢
58歳 59歳 - -
300万円
400万円
8万2800円 4万1400円 - -
500万円
600万円
11万400円 5万5200円 - -
700万円
800万円
900万円
1000万円
16万5600円 8万2800円 - -

まなぶくんまなぶ
くん
早くイデコに加入すれば、節税額も増えるんだね

先生小沢先生思いついた日が吉日。イデコでしっかり節税しながら資産を増やしていくといいよ

イデコは毎月の掛け金に上限はあるものの、その掛け金を積み立てる間、資産運用が可能ですので、積み立てた以上の資産を築くこともできるでしょう。

また、イデコは原則60歳まで貯めたお金を引き出せないわけですから、「毎月着実に貯まる老後資金の口座」だと思えば、50代からでも始める価値は十分にあると思います。

では、50代からイデコを始めて、いくら貯められるのでしょうか。

パターン1

仮に50歳(会社員)の方がイデコに加入し、毎月2万3000円ずつ60歳まで積み立てた場合
→元本は2万3000円×12カ月×10年=276万円貯まる

  • ※年利0%の場合、口座管理手数料を考慮していない

パターン2

仮に55歳(会社員)の方がイデコ加入し、月2万3000円ずつ60歳まで積み立てた場合
→元本は2万3000円×12カ月×5年=138万円貯まる

  • ※年利0%の場合、口座管理手数料を考慮していない

60歳までの元本

イデコの開始年齢によってどれだけ貯まるか、下記のグラフで確かめてみましょう。少しでも多く老後資金を貯めるためには、早くイデコを始めることがカギとなるのです。

各年齢のイデコで貯まる金額

  • ※口座管理手数料を考慮していない

通常、運用で利益が出ると、その利益のうち約20%(計20.315%≒所得税15.315%+住民税5%)が税金として差し引かれます。

しかしイデコの場合、その利益の税金が免除されるのです。税金を免除された分を運用に回せるので、運用資産は雪だるま式に増えていく可能性が期待できます。

では、運用して得た利益に対して約20%の税金がかかった場合と、税金がかからなかった場合とでは、どれくらい違いがあるのか、見てみましょう。

仮に50歳の会社員がイデコに加入し、月2万3000円ずつ60歳まで積み立てると、元本は276万円になります。

20%課税される場合

元本276万円→運用結果約300万円

  • ※元本の276万円を、仮に年利2%で運用し、20%課税された場合(口座管理手数料を考慮していない)

課税されない場合

元本276万円→運用結果約305万円

  • ※元本の276万円を、仮に年利2%で運用し、課税されない場合(口座管理手数料を考慮していない)

約20%の税金がかかった場合と、税金がかからなかった場合

運用結果を20%課税される場合と課税されない場合で比較すると、5万円も税金を浮かせられるのです。

下の表でイデコの開始年齢ごとにどれだけ資産が増えるか、確かめてみましょう。早く始めることによって、資産を少しでも上積みできる可能性を広げられることがおわかりいただけると思います。

年利2%で積立運用した場合、各年齢の貯まる金額は?(月額2万3000円)
年齢 約20%課税の場合
(円)
非課税、イデコの場合
(円)
課税と
非課税の差額
(円)
50歳 299.8万 304.9万 5.1万
51歳 266.7万 271.6万 4.9万
52歳 235.2万 239.0万 3.8万
53歳 204.1万 207.0万 2.9万
54歳 173.5万 175.6万 2.1万
55歳 143.5万 144.9万 1.4万
56歳 113.8万 114.7万 0.9万
57歳 84.7万 85.2万 0.5万
58歳 56万 56.2万 0.2万
59歳 27.8万 27.9万 0.1万
  • ※口座管理手数料を考慮していない

まなぶくんまなぶ
くん
運用益が非課税になると、最大5万円もトクするのか……

先生小沢先生老後資金を増やすことを考えているのであれば、イデコを選択しないのはもったいないね

ここまで50代から始めるメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。これから詳しく見ていきましょう。

イデコには加入期間(正確には加入者期間と運用指図者期間を合算した期間)が10年以上あれば、60歳から年金が受け取れます。

ただし、50代にイデコに加入して、加入期間が10年未満だと、60歳になっても年金が受け取れない場合があるので注意が必要です。

加入期間に応じた年金の受取開始可能年齢は以下のとおりです。

加入期間 年金の受取開始
可能年齢
8年以上10年未満の場合 61歳から
6年以上8年未満の場合 62歳から
4年以上6年未満の場合 63歳から
2年以上4年未満の場合 64歳から
1カ月以上2年未満の場合 65歳から

50歳からイデコを始めれば、加入期間は10年以上なので、60歳から年金を受け取れます。

一方、51歳でイデコに加入した場合は、加入期間が9年で「8年以上10年未満」に該当するため、年金の受取開始可能年齢が「61歳から」と1年延びることになるのです。

50代でイデコを始める場合は、年金の受取開始可能年齢がいつなのかを想定した上で、老後資金の計画を立てることが重要になってきます。

もう1つのデメリットとしては、50代だと積立期間が10年以下しかなく、20代や30代などの若い世代と比べて、資産を大きく増やせるチャンスが少ないことも挙げられます。

資産を大きく増やすには、「複利の効果」を発揮させることが大切です。「複利」とは、元本から得られた利息を元本に組み入れること。利息にまた利息がつくことになるため、複利の期間が長く続くほど、お金が増えるスピードが増す効果が期待できるのです。

ただ、50代だと期間が短いため、若い世代と比べると資産を増やせるチャンスは少なくなってしまうのです。

なおイデコは、60歳以降の積み立てはできませんが、資産の運用は70歳まで続けられます。運用中は金融機関に口座管理手数料は支払わなければなりませんが、その間資産を増やせるチャンスを作れることになります。

【注】イデコの加入期間については、近い将来、60歳から65歳まで延長される見込みです。厚生労働省では、2019年から議論を始め、2020年に関連法の改正を目指す模様。加入期間が延長されれば、特に50代のイデコ加入者にとっては朗報と言えます。

50代でイデコを始めても、積立期間は最長10年と短く、資産を増やせるチャンスも少なくなりがちです。なので50代は、値動きが安定している商品で、資産を極力減らさず積立運用をすることがポイントになります。

たとえば、元本保証のある定期預金や、価格変動のリスクが低い債券型ファンドなどが向いています。

まなぶくんまなぶ
くん
50代からイデコを始めてもいろいろメリットはあるんだね

先生小沢先生加入期間など注意すべき点はいくつかあるけど、節税効果を得ながら効率的に老後資金を貯めるなら、50代からでもイデコはおすすめなんだ

まなぶくんまなぶ
くん
積立期間が短いから、価格変動の激しい商品が向いていないのも、大事なポイントなんだね

先生小沢先生50代はイデコに加入できるラストチャンス。ぜひこの機会を逃さずつかんでほしいね

この記事の3つのポイント

  1. 50代でも節税効果が期待でき、老後資金が着実に貯まる
  2. イデコで資産を増やすためには、できるだけ早く始めることがポイント
  3. 安定的な値動きが期待できる商品を選んで、資産が減るリスクを抑える

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集計期間:2020年06月01日〜2020年06月30日

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